ホラー映画歴代ナンバー1の売り上げを記録した大ヒット作品「IT/イット”それ”が見えたら、終わり」。

次々と畳みかける恐怖シーンの連続に、「怖いけど観たい」というような若者からも、絶大な支持を誇っています。

ビルの弟ジョージは外で一人、船を浮かせて遊んでいたのですが、そのボートが入り込んだ排水溝の中には奇妙なピエロの姿が…

また、7人のいじめられっ子たち「ルーザーズ」も殺人ピエロに命を狙われ…

スティーブン・キング原作によるベストセラー小説「IT」の劇場版作品のあらすじや感想をどこよりも詳しく紹介します。

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映画「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」の作品情報

【公開日】
2017年11月3日

【上映時間】
135分

【監督】
アンディ・ムスキエティ

【脚本】
チェイス・パーマー
ゲイリー・ドーベルマン
キャリー・フクナガ

【出演者】
ビル・デンブロウ:ジェイデン・リーバハー
ベン・ハンスコム:ジェレミー・レイ・テイラー
リッチー・トージア:フィン・ウォルフハード
ベバリー・マーシュ:ソフィア・リリス
スタンリー・ユリス:ワイアット・オレフ
マイク・ハンロン:チョーズン・ジェイコブス
エディ・カスプブラク:ジャック・ディラン・グレイザー
ペニーワイズ:ビル・スカルスガルド
ジョージー・デンブロウ:ジャクソン・ロバート・スコット
ヘンリー・バワーズ:ニコラス・ハミルトン
ミスター・マーシュ:ステファン・ボガルト

映画「IT/イット"それ"が見えたら、終わり」のネタバレとあらすじやラスト結末

ある雨の日、ビルは弟のジョージーに紙で船を作っていました。

ジョージは道路にできた水溜りに船を浮かせて遊んでいるのですが、雨の勢いは強く、船は側溝へと流れていきます。

追いかけた先に、船を持ったピエロがいました。

彼はペニーワイズと名乗り、船を返すしてもらうために手を伸ばしたジョージーの腕を噛み千切ります。

ジョージは兄に助けを求めますが、側溝の中へと、引きずり込まれてしまうのでした。

ビルはジョージーを探す

夏休みを迎えたビルは、友人のリッチー、スタンリー、エディと行動を共にしていました。

喘息持ち、ユダヤ人、調子乗りと、やや難ありの4人組は、学校でいじめられているのでした。

一方、アフリカ系の少年マイクは、ドアを叩く音、そして何本もの手が隙間から覗かせるといった、奇妙で恐ろしい体験をしていました。

4人組は排水溝に消えたジョージを探して、下水道へと向かいます。

極度の潔癖症であるエディは、汚水の混じった下水道を嫌いますが、そこにはジョージーと同じように失踪した子供の靴があったのでした。

不良グループのリーダー、ヘンリーは小太りの転校生、ベンをいじめていました。

逃げるベン、さらに大人びた少女のべバリーも仲間に加わり、彼らは海へと飛び込みます。

その間、ヘンリーの仲間の一人がペニーワイズによって殺されてしまうのでした。

少年少女を"それ"が襲う!

エディに不穏な影が近づきます。

喘息の発作により薬を落としてしまったエディの前に現れたのは、真っ赤な風船をたくさん持ったピエロ、そして不潔極まりない病気の患者でした。

また、べバリーの洗面台から、衝撃的に大量な血が飛び散ります。

しかし、壁一面を汚す血は、べバリーの父には見えてはいませんでした。

ビルは、ジョージーの声が聞いていました。

鬼気迫る声のジョージーと、ピエロの姿が現れるのでした。

6人は集まり、ピエロを見たという恐怖を共有します。

マイクは6人に、街の呪いが"それ"なんだと説明します。

ルーザーズは井戸の家へと向かう

井戸の家に入ると、ペニーワイズはルーザーズを再び襲います。

エディは骨を折り、怪我をしてしまいます。

死んだエディの姿を模したペニーワイズを、ビルは幻想だと言い聞かせるも、ルーザーズはペニーワイズに敵いません。

なんとか逃げられたものの、ルーザーズは仲間割れを起こしてしまいます。

そして、時間は過ぎていきます。

べバリーは暴力的な父の言いなりにならないよう、反抗するのですが、その直後"それ"に連れ去られるのでした。

べバリーを救うべく、6人は思いを一つにします。

井戸の家に現れたのは…

ルーザーズは再び、井戸の家へと訪れます。

そこに現れたのは、不良グループのいじめっ子、ヘンリーでした。

ヘンリーはペニーワイズに唆され、警官の父をナイフで殺していたのです。

井戸を降りようとしていたマイクは、ナイフを持ったヘンリーに襲われますが、なんとか助かるのでした。

井戸の中には、行方不明の子ども達が浮いていた

井戸を降りたビルは、ジョージーの姿を見つけ、後を追います。

密かにべバリーに想いを寄せるベンは、浮いた子ども達の中に、べバリーを見つけました。

ベンはべバリーに口づけをします。

そうすることで、目を覚ますと信じ、実際、べバリーは意識を取り戻しました。

ビルはついに、片腕を喰われたジョージーと対面します。

会いたかったと泣くジョージに、ビルは銃を突きつけます。

それが偽物だと、ジョージーは見抜いていました。

ルーザーズは弱ったペニーワイズと戦うのですが、ビルは人質のような形で捕まります。

ビルを置いていけば見逃すとペニーワイズは提案するのですが、ルーザーズはそんな提案に屈しません。

恐怖を糧に巨大になっていくペニーワイズですが、もはや恐怖を克服したルーザーズには敵ではありませんでした。

また、攫われたベバリーもまた、恐れなかったからこそ、殺されなかったのでした。

ペニーワイズの身体はほころび、砕け散っていきます。

ルーザーズは見事、勝利したのでした。

ルーザーズは絆を深めて大人になっていく

べバリーは浮遊しながら見たものについて、ルーザーズの皆に話していました。

数年後のルーザーズの姿と、恐怖の感情だけをべバリーは覚えていたのです。

"それ"はまだ消えてはいないということかもしれないと考え、また現れたときには再び力を合わせることを誓います。

その誓いを忘れないために、ルーザーズは掌に傷を刻みます。

痛みを忘れないための痛みで、ルーザーズは繋がるのでした。

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映画「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」の感想と考察

ホラー映画としては、少々やりすぎ

日本の映画「呪怨」のように何度も怖いシーンが続く、いわゆるアトラクションホラーである本作品ですが、驚かされるだけで怖くはないようなシーンも多いです

もしかすると、私たち日本人の多くがピエロという存在を直感的に怖いと感じないからかもしれません。(ピエロが怖い人にとってはめちゃくちゃ怖いです!)

また、乱発するホラーシーンで徐々に驚くことにも慣れ、ラストに近づくたびにホラー要素が薄まっていくように感じます。

観客を怖がらせることを第一の目的として映画を作っているのならば、本作品が少々退屈に感じるかもしれません。

しかし本作品は恐怖を描くためにホラーという手法をとった映画であり、第一目的が怖がらせること、驚かせることではないのではないでしょうか。

少年少女期のなんともいえぬ恐怖について描いた「青春ホラー映画」として、非常に面白かったです!

"それ"の正体に関する考察

ルーザーズはそれぞれ別の"それ"を目撃しています。

ここでは、ルーザーズ一人一人が見た"それ"について考察していきます。

ジョージ―は地下室を怖がっており、"それ"は側溝に現れます。

無意識で理由も分からぬ恐怖がジョージ―に側溝のピエロを見せたのです。

これは、他の人物についても言えることです。

ルーザーズの恐怖

アフリカ系のマイクは火事により両親を亡くしており、ヤギも殺せないほど死を恐れています。

マイクは黒こげの手を見ていました。

その手が助けを求めるように描かれていたことから、彼は両親の死に纏わる火事や、人の死を恐れるとともに、両親を助けられなかった自分の無力をも恐れていると考えられます。

ユリスは地下の絵に描かれた女を恐れていました。

また、ユダヤ人であるがゆえに、成人が周りよりも早く訪れます。

少年であるにも関わらずに近づいてくる大人、それを示す大人の女性という存在が彼には怖かったのだと考えられます。

似たように、女子のべバリーは大人に近づく自分の身体に恐怖を抱いております。

べバリーにとっての大人の象徴は、自分の身体から溢れる血だったわけですね。

ビルの"それ"は分かりやすく、弟ジョージ―の死です。

彼の前に何度も現れるトラウマは黄色いレインコートのジョージ―です。

ベンは異常に子供が失踪する、デリーという街そのものを恐れています。

エディは母親の影響で、病気や汚れを毛嫌いしています。

だからこそ、病気まみれの患者のような存在が彼の前に現れたわけです。

そしてリッチーはピエロを怖がっていると劇中でも話していました。

この恐怖の根幹には、日々周りを笑わす愉快なリッチー自身の道化的側面が肥大化し、自分の中の道化に自分が食い殺されるのではないか、といった恐怖を無意識に感じているのではないかと思います。

映画「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」の評価とまとめ

怖くないホラー映画。だけど泣ける

前述している通り、ホラー映画としては少し突っ走りすぎて息切れを起こし、怖さ自体は感じないです。

しかし、自らの恐怖と向き合うルーザーズの姿や、痛みで痛みを超えようとする絆に、「スタンドバイミー」で味わったような感動が押し寄せてきました。

つくづく、子どもを表現する物語でスティーブン・キングの右に出るものはいないと思わせてくれます。

特にラストシーンは、成長した彼らの姿が美しい思い出のように輝いて描かれています。(原作小説では、過去を振り返るように子ども時代が書かれています)

まとめ

2019年末に劇場公開した「ITイット THE END "それ"が見えたら、終わり。」を後編とするならば、前編に当たる本作品。

本作品を鑑賞しているか否かで、後編の意味も分かりやすくなります。

ホラー映画として、単純に怖い映画を観たい人というよりは、「スタンドバイミ―」や「ホームアローン」のような、子供の青春物語を観たい人には特におすすめです。

もちろん、緊張感と躍動感溢れる痛快な映画を観たい人も、部屋を暗くして鑑賞していてはいかがでしょうか。

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