「ビューティフル・マインド」は、ノーベル経済学賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュの成功と苦悩を描いたヒューマンドラマです。
初対面で人のネクタイにケチをつけたり、同級生の論文を酷評してしまったり。
思ったことしか口に出せず、人づきあいが大の苦手なジョン・ナッシュ。
そんな彼にできた“チャールズ”という名の大親友。しかして、“チャールズ”の正体とは……?
天才数学者が歩んだ成功への道のりと、苦悩に満ちた人生の物語。
そこで今回は映画「ビューティフルマインド」のネタバレあらすじと感想考察や評価をご紹介します。
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目次
映画「ビューティフル・マインド」の作品情報
【公開日】
2002年3月30日(日本)
【上映時間】
135分
【監督】
ロン・ハワード
【脚本】
アキヴァ・ゴーズマン
【出演者】
ジョン・ナッシュ:ラッセル・クロウ
ウィリアム・パーチャー:エド・ハリス
アリシア・ナッシュ:ジェニファー・コネリー
ローゼン医師:クリストファー・プラマー
チャールズ・ハーマン:ポール・ベタニー
ソル:アダム・ゴールドバーグ
マーティン・ハンセン:ジョシュ・ルーカス
マーシー:ヴィヴィアン・カードン
ベンダー:アンソニー・ラップ
ヘレンジャー:ジャド・ハーシュ
トマス・キング:オースティン・ペンドルトン
映画「ビューティフル・マインド」のネタバレあらすじとラスト結末
1947年9月。
物語はジョン・ナッシュがプリンストン大学院に進学したところから始まります。
ジョン・ナッシュはそれまでカーネギー工科大学に所属していたのですが、奨学金を得て大学院へと進みました。
カーネギー奨学金は優秀な学生に贈られる奨学金で、それを得たのはこの年二人いました。
マーティン・ハンセンとジョン・ナッシュです。
二人とも、目指すはMITのウィーラー研究所への就職で、二人の関係はライバルといえるものでした。
人づきあいの得意なマーティン・ハンセンとは裏腹に、入学パーティで早速ジョン・ナッシュはやらかしてしまいます。
暗号解読課のニールセンには、ネクタイの柄が数学的に間違っていると指摘し、ライバルのマーティン・ハンセンが書いた論文を「斬新な発想はカケラもない」と酷評。
当然、和やかな場は白けてしまいます。
ルーム・メイト“チャールズ”
コミュ障ジョン・ナッシュが寄宿舎に戻ると、そこに背の高い陽気な男性が現れます。
名前はチャールズ・ハーマン。シャツはほぼボタンが止まっておらず、蝶ネクタイは首にかかっているだけ。
登場早々、二日酔いを患っている青年です。
チャールズの陽気なおしゃべりを無視して数学の勉強に励むジョン・ナッシュ。
けれどチャールズはそんなジョン・ナッシュの態度にもめげず、酒を取り出して交流を迫ってきます。
屋上で酒を飲みかわしながら、親交を深めていく二人。
ジョン・ナッシュのコミュ障っぷりは、なんと小学校の先生にまで指摘されたほどで、かなりの自信家な性格。
論文を出版した同級生と自分を比べて焦りもしますが、だからと言ってみんなと同じように大学の授業にきちんと出席したり、レポートを提出したりすることは特別な自分にはできないと感じています。
「いつかすべてを支配する真理を見出したい」「独創的なアイデアを発見する」などと大望を抱きながら、なにもできずにいます。
中庭ではマーティンが同級生と碁を打って遊び、そのかたわらで、鳩の動きをアルゴリズム計算法で解明しようとしているジョン・ナッシュ。
マーティンはそんなジョン・ナッシュに囲碁の勝負を持ちかけます。
けれど、「独創的なアイデア」なんてものを追い求め、なにも成していないジョン・ナッシュは、マーティンとの囲碁の勝負にも負けてしまいます。
それでも自分の負けを認められず、ジョン・ナッシュは足早に逃げる。
認識的夢想をしていたジョン・ナッシュに、親友チャールズは食事を勧めます。
学生行きつけのバーでジョン・ナッシュが一人ビリヤードをしていると、そこに同級生たちが現れました。
ニールソンは二人組の女性を口説いていて、ジョン・ナッシュにもう一人を口説いてみせるようからかってきます。
けれど、ジョン・ナッシュは女性の前で黙りこくってしまいます。
ようやく出てきた言葉は「僕との性行為を承諾させる口説き文句は?“それを言った”と仮定しよう」というムードもなにもない最悪なもの。
ジョン・ナッシュは、思い切り頬に平手打ちを食らってしまいました。
時は過ぎ、卒業のときが近づいてきました。
ジョン・ナッシュはヘレンジャー教授から、授業にも出席せず論文を書くこともしていないので、どこも紹介できないと言われてしまいます。
ヘレンジャー教授が向かった先は、教職員向けのサロンで、そこでは一人の教授がたくさんの仲間の博士たちから、テーブルにペンを置かれ、功績を称えられています。
ジョン・ナッシュだって、そんなふうに仲間から自分の功績を認められたいのです。
夢と現実の差を見せられて、ジョン・ナッシュは失意のままにその場をあとにしました。
追い詰められたジョン・ナッシュは論文もうまくいかず、ガラス窓に頭突きをかまし、額を切ってしまいます。
そんなジョン・ナッシュを、チャールズはどうにか宥めようとします。
チャールズはジョン・ナッシュを全肯定し、窓から机を投げ捨ててしまいました。
バーでも机に論文を広げるジョン・ナッシュ、そこにブロンドの美女が現れます。
ジョン・ナッシュと同級生たちは、アダム・スミスの“個の野心”を引き合いに出し、ブロンドの美女を取りあおうとします。
しかし、ジョン・ナッシュはアダム・スミスは間違っていると主張しました。
ジョン・ナッシュはそこで「最良の結果は、全員が自分とグループ全体の利益を求めると得られる」とゲーム理論を思いつくのでした。
ジョン・ナッシュは晴れてウィーラー研究所へ採用されるが、一方、マーティンはウィーラー研究所に採用されることはありませんでした。
ウィーラー研究所にて
五年過ぎ、1953年です。
ジョン・ナッシュはウィーラー研究所のアナリストとして国防総省に呼ばれ、暗号の解読を任されていました。
ジョン・ナッシュはそれがアメリカへの潜入ルートの暗号だと見事見破ります。
そして、国防総省の隅には黒服の怪しげな影が……。
ウィーラー研究所では、ソルとベンダーが今もジョン・ナッシュのチームに所属していました。
ジョン・ナッシュは国防総省に協力するかたわら、雑誌の表紙を飾ったりしています。
それでも、自信家なところは相変わらずのままで、授業で教鞭をとっても、「自分にとっては時間のムダだ」と言い切ります。
そんな授業で、ジョン・ナッシュは魅力的な女生徒に出会います。
ジョン・ナッシュの前に、国防総省の部屋の隅にいた黒服の男性が現れ、政府の役人と名乗り、オッペンハイマーとも仕事をしたと豪語する男、パーチャー。
パーチャーはジョン・ナッシュを廃屋に擬態させた機密区域に連れていくと、ソ連が携帯原子爆弾を所有しているという秘密を打ち明けました。
なんとアメリカは携帯原子爆弾の脅威にさらされていたのです。
パーチャーは、新聞や雑誌の中に込められた暗号を解読してほしいと、ジョン・ナッシュに依頼してきます。
ラジウム・ダイオードを腕に埋めこまれ、ジョン・ナッシュはスパイ組織の一員になってしまいました。
新聞や雑誌を漁り、暗号解読に没頭するジョン・ナッシュに、魅力的な女生徒アリシアとの距離を縮めていきます。
二人はパーティーに出席して、アリシアはジョン・ナッシュに白いハンカチをプレゼントしました。
アリシアは絵画に夢中ですが、ジョン・ナッシュはパーティ会場の中にもスパイと思しき黒服を見つけ、気が気ではありません。
二人で星空を見上げ、ジョン・ナッシュは夜空の星を辿って、アリシアに傘の形をプレゼントしてあげました。
ジョンは雑誌を切り取ると、蝋で封をしたあと、ある立派な邸宅へと向かいました。
腕に埋め込まれたラジウム・ダイオードの数字を入力し、門扉を開けると、ポストに封筒を投函します。
ジョン・ナッシュは解読した暗号を、そんなふうにパーチャーへと渡していました。
アリシアに乞われ、湖畔でジョン・ナッシュは口説き文句を口にします。
「本当のところは早く君とセックスをしたい」とジョン・ナッシュの口説きは依然ひどいものでしたが、アリシアはジョン・ナッシュにキスをしました。
雑誌の暗号を解読しているジョン・ナッシュの元に、一人の少女が現れました。
その少女はなんとチャールズの姪であるルーシーで、チャールズは亡くなった妹夫婦の子供を引き取っていたのです。
旧友との再会にジョン・ナッシュは喜び、アリシアと結婚しようと思っていることをチャールズに相談すると、彼は勇気づけてくれました。
アリシアの誕生日デートにも遅刻してくるジョン・ナッシュ。
当然、アリシアは怒っていますが、誕生日プレゼントのプリズムボールに機嫌を直します。
ジョン・ナッシュは、自分たちの関係が一生続く証拠が欲しいとアリシアに詰め寄るが、アリシアは逆に宇宙の大きさについてジョン・ナッシュに問います。
ジョン・ナッシュの答えは無限だが、宇宙が無限であることは未証明です。
ジョン・ナッシュが信じているだけにすぎず、愛もそれと同じだと、アリシアは語ります。
二人は結婚式を挙げたが、道路の向こう側ではパーチャーがジョン・ナッシュを見張っています。
解読した暗号をポストに投函すると、ジョン・ナッシュに尾行がつけられていました。
パーチャーに助けられ、二人はカーチェイスを繰り広げ、ソ連の追っ手が乗った車は、港に突っ込んで沈んでしまいました。
帰宅したジョン・ナッシュはひどく疲れています。
アリシアが心配するのも無視して、部屋へ閉じこもってしまいました。
それからジョン・ナッシュは非常に神経質になっていきます。
妻が妊娠したことを理由に、暗号解読の仕事を辞めたいと申し出ますが、パーチャーは仕事を辞めるなら名前をソ連にばらし、身の安全は保障しないと脅してきます。
ジョン・ナッシュは恐慌し、部屋の明かりをつけたアリシアを叱り、家から離れるように言いつけます。
これにはアリシアも、夫の様子が尋常ではないと思い、電話をかけます。
ジョン・ナッシュの奇行は、ついにハーバード大学で行われた全米数学者会議で発露しました。
ハーバード大では旧友チャールズが教鞭を取っています。
もちろんジョン・ナッシュの講演を、チャールズも聞きに来てくれました。
ジョン・ナッシュはチャールズに自分の状況を助けてもらおうとします。
講演はリーマン予想の証明についてでしたが、誰もがジョン・ナッシュの話に首を傾げるばかりです。
講堂の後方に怪しげな背広の男が現れ、ジョン・ナッシュは怖がって逃げてしまいました。
追いかけてきた男は、精神科医のローゼン医師だったが、ジョン・ナッシュはロシア人だと思いこみ、暴れまくります。
押さえつけられ注射を打たれ、ジョン・ナッシュは連行されてしまいました。
闘病
目を覚ますと、そこはマッカーサー病院で、手足に枷が付けられ動くこともできません。
ジョン・ナッシュはそこが病院であることも信じず、ローゼン医師が自分を尋問しようとしていると信じて疑いません。
そして、そこにはチャールズの姿があり、ジョン・ナッシュはチャールズが自分を裏切ったのだと思いこみます。
「そこには誰もいないよ」とローゼン医師は言います。
ジョン・ナッシュは統合失調症で、大学院のころからずっと、ジョン・ナッシュは幻覚を見ていたのです。
ルーム・メイトのチャールズもイマジナリー・フレンドでした。
突然の話に、アリシアもすぐには信じられません。
ローゼン医師はアリシアにジョン・ナッシュの仕事について調べるよう依頼します。
アリシアはベンダーを殴りつけ、ジョン・ナッシュの仕事場へと乗りこみました。
部屋は四方の壁に隙間もないほど、雑誌の切り抜きが張りつけられていて、常軌を逸した光景でした。
唖然としたアリシアはベンダーとソルを追求しましたが、二人はずっと怪しいと思いつつも放置していたようでした。
アリシアは、ジョン・ナッシュが解読した暗号を届けていた邸宅を訪れました。
ラジウム・ダイオードの数字を入力していた装置は壊れ、門扉は錆びついていて、屋敷は明らかに廃墟です。
アリシアはポストを漁りました。
病院で面会すると、ジョン・ナッシュは隠しマイクで盗聴されているかもしれないと言いだします。
いまだにジョン・ナッシュは、自分が政府の諜報活動に協力して大惨事を阻止しているヒーローだと思いこんでいました。
アリシアは耐え切れず、ジョン・ナッシュの話を遮り、幻覚を見続けるジョン・ナッシュの前に封筒の束を突きつけました。
パーチャーも、パーチャーに連れられた秘密基地もジョン・ナッシュの幻覚です。
封筒の束は未開封で、だれも読んではいなかったのです。
ジョン・ナッシュはラジウム・ダイオードが埋めこまれたはずの腕を傷つけ、流血沙汰を起こしていました。
そして、インシュリン・ショック療法に身を投じます。
ジョン・ナッシュの置かれている状況は、大切な人や場所、思い出が実は存在しなかったと突き付けられているようなもの。
痙攣を起こすジョン・ナッシュを、アリシアは見ていることができませんでした。
一年後、ジョン・ナッシュとアリシアはプリンストン大学の近くへ引っ越します。
アリシアはジョン・ナッシュへの複雑な思いを抱えていました。
自宅療養を続けるジョン・ナッシュを、ソルが見舞いにやってきました。
ジョン・ナッシュは人の悪い冗談も言いますが、自分と向き合って治療を続けているようです。
けれど、薬の副作用がジョン・ナッシュを苦しめていました。
頭が働かなくなり数式を解くことができず、子供が泣いても気づくことができません。
アリシアに求められても、ジョン・ナッシュは拒んでしまい、それにひどくショックを受けて、真夜中に泣き出してしまう。
ジョン・ナッシュは薬を飲むことを止めてしまいました。
すると新聞の文字が再び浮かび上がりはじめ、家の外に子供の影が見えます。
追いかけると、そこにはパーチャーが待ち構えていて、兵隊に囲まれたジョン・ナッシュは再び恐慌に陥ります。
パーチャーが案内した小屋は、第二の秘密基地。
ジョン・ナッシュはパーチャーからの依頼もあり、再び暗号解読へとのめりこんでいきます。
再発
1956年4月。
嵐の迫る春、ジョン・ナッシュは息子を風呂に入れる仕事を請け負いました。
アリシアは洗濯物を取り込みに行くが、開けたはずのない裏の戸が開いていることに気づきました。
アリシアは森の中を進んでいきます。うらびれた小屋を開けると、そこにはいつかの再現のような雑誌の切り抜きだらけの光景が……。
アリシアは息せき切って家へと戻ると、あやうく息子が溺れてしまう状況に。
なのに、ジョン・ナッシュはチャールズが面倒を見ているはずだと、妄言を繰り返します。
ジョン・ナッシュの統合失調症は完全に再発していて、アリシアはローゼン医師を頼り、電話をかけようとしました。
そこにパーチャーが現れ、アリシアを殺せと命令します。
チャールズもマーシーも、ジョン・ナッシュを追い詰めますが、ジョン・ナッシュは一つの気づきに辿りつきました。
チャールズの姪マーシーは、出会ったころから全く成長していないのです。
ジョン・ナッシュが自分で幻覚を見破った瞬間でした。
ローゼン医師との面会で今後の治療について話をしますが、ジョン・ナッシュはショック療法も投薬も嫌だと突っぱねます。
しかし、治療しなければ、病態は悪くなるばかりです。
ジョン・ナッシュはもしかしたら自分がアリシアに危害を加えてしまうかもしれないと思い、別れを切り出します。
けれど、アリシアはジョン・ナッシュの元に居続けようとするのでした。
二人は触れ合うことで、現実であることを確認します。
再出発
二か月後。
ジョン・ナッシュは意を決して、プリンストン大で学部長を務めるマーティン・ハンセンを訪ねます。
マーティンはかつてのヘリンジャー教授の部屋を使っていました。
ジョン・ナッシュはマーティンに、治療のために大学にいさせてほしい頼む。
ジョン・ナッシュの奇行は、すぐさま大学関係者の知るところとなり、現れたパーチャーに詰められ、ジョン・ナッシュは逃げまどいます。
それでもジョン・ナッシュはアリシアに諭され、毎日大学に通います。
ジョン・ナッシュの定位置は図書館の窓際で、窓ガラス一杯に数式を書いています。
幻覚たちは消えませんが、ジョン・ナッシュはそれを無視することができるようになっていました。
1978年10月
一人の学生がジョン・ナッシュに声をかけます。
ジョン・ナッシュはかつて親友のチャールズが自分に食事を勧めてくれたように、若い学生にも食事を勧めます。
ジョン・ナッシュと若い学生は親しくなりました。
いつの間にか、図書室のテーブルにはジョンを囲んで学生の輪ができています。
それを見て、アリシアは泣き出しそうな顔で微笑むのでした。
ジョン・ナッシュは、マーティンに教鞭を取ろうかと思っている旨を話します。
マーティンはジョン・ナッシュを学生時代のように囲碁の勝負に誘いました。
ノーベル賞
1994年3月。
ジョン・ナッシュはプリンストン大で教鞭を取っており、その人気はなかなかのものです。
そこに見知らぬ老人が現れ、ジョン・ナッシュは生徒の一人を呼び止めて「彼が見える?」と問います。
自分が幻覚を見てしまうことを、そんなふうに克服していました。
男はトマス・キングで、ノーベル賞のスタッフでした。
トマス・キングはジョン・ナッシュがノーベル賞の受賞候補に上がっていると伝えます。
トマス・キングに誘われて渋々入ったのは、教職員用のサロンで、ジョン・ナッシュが賞に相応しいかどうかを見極めに来たのでした。
その時、スーツ姿の博士が現れ、ジョン・ナッシュのテーブルの上にペンを置き、次々に、サロンの博士たちはジョン・ナッシュの元を訪れ、賛辞とペンを置いていきます。
それは、かつて若きジョン・ナッシュが見た光景そのものでした。
1994年12月。
ジョン・ナッシュはノーベル賞を受賞します。
ストックホルムの会場で、ジョン・ナッシュはアリシアへと感謝の演説をします。
会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
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映画「ビューティフル・マインド」を見た感想考察と評価まとめ
「ビューティフル・マインド」は、数々の業績を残した天才数学者ジョン・ナッシュの成功と苦悩を描いたヒューマンドラマです。
2002年に日本で公開された作品
残念ながら、この映画の元になったジョン・ナッシュは2015年に亡くなってしまいました。
けれど、公開当時はまだプリンストン大で、実際に教鞭を取っていたんですね。
映画の最後には、そんなテロップが入ります。
また、この映画はジョン・ナッシュの半生を描いた作品ではありますが、実際に起こったこととはかなり相違点があるようです。
実際のジョン・ナッシュ氏は結構ヤンチャなところもあったようですが、それはそれとして、この映画はとても美しい作品に仕上がっています。
アカデミー賞やゴールデングローブ賞も受賞し、高い評価を受けています。
現実と夢の混同という恐怖
実在の人物を描いた作品ではありますが、それを逆手に取るかのような表現手法が取られているのがとても面白い作品です。
ファンタジー作品なら不思議な力でなにが起こっても当然ですが、これを実在の人物を描いた作品でやってしまうところが、本作のミソだと思います。
そして、同時に主人公がかかった病気の恐ろしさや治療法の凄惨さについては、実在の人物がテーマという力を借りて、ノンフィクションにも通じる説得力で表現してしまう。
評価まとめ
天才数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた「ビューティフル・マインド」。
彼の成功には光と影のように苦悩がありました。そして、彼を支える存在が人知れず存在していました。
ジョン・ナッシュの高慢さも、彼を支えたアリシアの複雑な気持ちも、誰しもが持っているもののように思えます。
美しい音楽に耳を傾けながら、ゆったりとソファに腰かけて、静かに観たい。そんな映画です。
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