映画「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」は、「ラブ・アクチュアリー」で世界中を大きな愛に包んだロマンティック・コメディです。

第一人者リチャード・カーティス監督による、笑えて泣けるハートウォーミング。

幸せそうに笑いあう男女のいかにも恋愛なポスターイメージに拒否反応を示して、まだ鑑賞してない人はいませんか?

そんな恋愛映画に興味がない人にこそオススメしたいのがこの映画です。

ある意味恋愛要素は物語の中盤で早々に完結、これはある男が自分に与えられた時間をいかに使うべきかを学んでゆく「男の生きる道」映画です。

そこで今回は映画「アバウトタイム」のネタバレあらすじと感想考察や評価などをご紹介します。

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映画「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」の作品情報

【公開日】
2014年9月27日(日本)

【上映時間】
124分

【監督】
リチャード・カーティス

【脚本】
リチャード・カーティス

【出演者】
ドーナル・グリーソン(ティム)
レイチェル・マクアダムス(メアリー)
ビル・ナイ(ティムの父)
リディア・ウィルソン(キットカット)
リンゼイ・ダンカン(ティムの母)
リチャード・コーデリー(デズモンド)
ジョシュア・マクガイア(ローリー)
トム・ホランダー(ハリー)
マーゴット・ロビー(シャーロット)

映画「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」のネタバレあらすじとラスト結末

愛する息子よ、お前はタイムトラベルができるんだ

あたたかな時間を家族と共に過ごしながら生きてきた青年、ティム。

21歳の新年1日目、大晦日のパーティで女の子にキスもできなかった自分に後悔の念をいだきながら目覚めたティムは、父親から信じがたい家族の秘密を明かされます。

「私たちの家系の男はみんな、タイムトラベルができるんだ」

未来には行けない、自分の過去にだけ。

暗いところでぎゅっと拳を握って、帰りたい過去を思い浮かべればいい。

家族のなかでも男しかこの秘密をしらない。

にわかには信じがたい秘密でしたが、父のジョークに付き合うつもりで暗いクローゼットのなかで拳を握りしめたティムが目をあけると、大晦日のパーティに戻っていました。

あまりの事実に戸惑いながらも同じ過ちを二度繰り返すまいと昨晩勇気をだすことができなかった女の子へキスをし、自分のタイムトラベルの能力を実感します。

興奮気味に新年の朝へと戻ってきた息子に、父は忠告をあたえます。

能力の使い方を誤るな、これまでに能力のために愛と友情を失った家族もいると。

時間を戻しても、変えられないこともあると知る

同じ年の夏、妹キットカットの親友シャーロットが2か月のホームステイにやってきます。

輝くばかりのシャーロットに恋をしたティムはその思いが伝えられないまま夏を過ごし、別れの夜にはじめてその恋心をシャーロットに伝えます。

「別れ際に伝えられても困る、もっと早く愛を告白してくれれば違ったかもしれないのに」

そのシャーロットの言葉を聞いたティムは一目散に暗い物置で拳を握り…出会って間もなかったときのシャーロットに告白をし直します。

「夏を一緒に過ごしてから、最後の夜にもう一度告白してくれない?」

ティムは縁がないものはタイムトラベルしても手に入れることはできないのだ、ということを学びます。

ロンドンで運命の出会い、タイムトラベルのリスクを学んだティム

弁護士への道を進むため、父の友人で舞台作家のハリーの家に寄宿しロンドンでの生活を始めたティム。

仕事一本で都会の生活を過ごしていたティムはある晩、運命の出会いを果たします。

レストランで隣の席に座った女性、メアリー。

一目見て恋におちたティムは電話番号を聞き出し、メアリーもまた会いたいと笑顔で返します。

幸せに満ちた気持ちで家路についたティムでしたが、自宅にいたハリーが大荒れの様子。

ハリーが手がけた今夜の舞台が役者のミスにより失敗に終わったのです。

自分がタイムトラベルすれば解決できる問題だと考えたティムは過去へと戻り、舞台は一転成功となります。

しかし携帯電話を確認したティムは驚愕…メアリーの番号の記録がない。

過去を変えてレストランに行かない選択をしてしまったティムは、メアリーに出会わない未来を作ってしまったのです。

三度目のはじめまして、ついにメアリーと結ばれる

初めて出会ったはずだった日にメアリーの好みを聞いていたティムは彼女と出会える可能性がある場所で待ち続け、あらためて初めての出会いを果たします。

しかしすでに状況は変わっており、メアリーには新しいボーイフレンドが。

一度は自分に好意を抱いてくれたメアリーをなんとしてでも射止めようと、今度はメアリーとボーイフレンドが出会うはずだった日に戻りそれを阻止。

三度目の”初めての出会い”を経て、ようやくメアリーを恋人にすることができたのです。

家庭を持ち、タイムトラベルのリスクを背負うこととなるティム

メアリーへのプロポーズを成功させたティムは実家を訪れ、新しく家族となるメアリーを紹介。

大雨大嵐のなか最高に美しい結婚式をあげ、ふたりには初めての娘ポージーが誕生します。

ティムはタイムトラベルの必要がない幸せな毎日をおくっていました。

ポージーが1歳の誕生を迎えたときのこと、妹キットカットが飲酒運転で事故を起こし病院へ運ばれます。

奔放に生きるキットカットは人生がうまくいかず、自暴自棄になっていました。

過去に戻り妹の人生をやり直しさせようと試みるティム、それは成功したかのように思われました。

しかし現在に戻ってくると娘のポージーは存在せず、見知らぬ男の赤ちゃんが。

ポージーが生まれる前の過去を変えたことで、ポージーが生まれるはずだった未来が変わってしまったのです。

子共が生まれるとそれ以前の過去に戻ることは大きな影響を与えることを知ったティム。

ポージーの誕生を選んだティムは交通事故が起きた過去を変えるのではなく、起きた後の今のキットカットを支えていきます。

一番の理解者、父との別れ

二人目の子供が誕生し普通の人生を普通に過ごしていたティムに、父の死期が近いと知らせが届きます。

過去に戻って変えられる問題ではないとティムを諭し、父は能力を活用する秘訣を教えます。

毎日を普通に過ごしていくこと、タイムトラベルをつかって普通の毎日をもう一度繰り返すこと。

一度目に気づけなかった人生のすばらしさに気づくことができるからと。

ほどなくして父との別れの日を迎えたティムは、その後もたびたび生前の父へ会うため過去へ戻ります。

メアリーは三人目の子供を迎えることを提案しますが、経験から新しい子供を迎えると誕生した前の過去に戻ることが難しくなることをティムは知っています。

それは父に会うためのタイムトラベルができない、永遠の別れを意味していました。

三人目の子供が生まれる前日のこと。

ティムは過去の父に最後の別れを伝えます。

最後にふたりで何をしようか?そろってクローゼットへ這いこんだ二人は、ティムの子供時代へ。

未来をかえないよう上手くやろう、囁きあった二人は、海辺で過ごすなんでもない日を愛おしく味わいました。

ティムにとっての愛おしい時間とは?

タイムトラベルの能力の活用を父から学んだティムは、その父をも上回る能力の発揮方法を見出していました。

過去にもどらないこと、今日の自分を未来からきたと考え普通の1日を楽しむこと。

家族を愛し友人を支える、ティムはその喜びを人一倍味わって今を生きていました。

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映画「アバウトタイム〜愛おしい時間について〜」感想考察と評価まとめ

ロマンスを強調するメアリーの名言の数々

ここまで本作が恋愛映画にとどまらないことを強調してきましたが、もちろん恋愛映画としても秀でた作品です。

とくにメアリーの名言の数々には、観客の性別を問わずドキドキさせられます。

「車を停めてあるところまで送ってくれる?実は車は家の前に停めてあるの」

「寝室へ行って新しいパジャマを着るから、1分後に来て脱がせていいわ」

(かわいい人ね、とティムの母に褒められて)「いえそんな、マスカラと口紅のせいです」

「大雨の結婚式に後悔してないわ、人生と同じでいろんな天気があるもの」

友達が少ない、流行遅れのドレスを着た、ぱっつん前髪の女の子メアリー。

控え目なキャラクターと大胆でユーモラスな発言のギャップ…こんな女性になりたい、こんな彼女が欲しいと思わせるキャラクターです。

茶目っ気にあふれたティムの両親の名言の数々

両親のセリフのひとつひとつも見逃せません。

短いやり取りで、両親が息子にどれだけの時間と愛情を注いできたのかが伝わります。

メアリー「あなたの息子が大好きなんです」

母「私もそうだけど彼に言ってはだめ、うぬぼれるから」

父「(実家を出るティムに)毎日電話してくるな、ママは忙しいんだ」

愛情が見て取れるからこそぐっとくる皮肉など、監督のセンスを感じるやりとりは必見です。

作品を彩るサウンドトラックにも注目

2作品目の監督作品「パイレーツ・ロック」では、音楽が制限されていた時代にロックミュージックの海賊放送をおこなっていたラジオ局を描いたカーティス監督。

本作でも音楽のチョイスが抜群です。

ティムの心情を見事に代弁する名曲の歌詞は聞き逃せません。

≪The Luckiest≫
物語のオープニング、そしてエンディングにも印象的にながれるナンバー。
上手くいかない人生が、君との出会いで動き始めた。
君に毎日会える喜びを知っている僕は、世界で一番幸せな男だ。

自分が幸せであることを知ろう、映画の根元テーマにもつながる1曲です。

≪Mid Air≫
ティムがメアリーとの出会いで、彼女を愛おしく思う気持ちがメロディーに込められたナンバー。
襟についたボタン、髪の色、君の存在を感じる。
このまま生きていきたい、踊る君を見ていたい。

ロマンティック映画に相応しい、特別な出会いに心が満たされる思いが伝わってくるようです。

評価まとめ

平等に与えられた時間、愛おしいものにできるか否かは自分たちの考えと行動次第であることを教えてくれる本作。

ラブストーリーでありコメディでありSFでもあり家族愛のドラマでもあるこの濃厚な映画は、「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家であるリチャード・カーティスの監督&脚本作品です。

1つ1つの作品に時間をかけて丁寧に作り上げることで知られるカーティス監督は、「ラブ・アクチュアリー」「パイレーツ・ロック」。

そして3作目である本作を最後に監督としてのキャリアを終わらせると発言しています。

3本しかない貴重な1本であると思うと、より密度の高い貴重な作品に思えてきませんか?

1つの作品に丁寧に時間をつかうカーティス監督の手法だからこそ、時間についての映画が輝くのかもしれません。

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