オシャレ×熱血!?

田舎のフランス娘がタイピングの才能を開花させて世界大会まで挑んでゆくサクセスストーリー。

フランス映画には欠かせないロマンスもたっぷり、タイピングの音がまるで音楽のように流れる軽快さが楽しい作品です。

ショッキングピンクのタイプライターや、カラフルなネイル、揺れるスカート、溢れるフレンチファッションもお見逃しなく。

そこで今回は映画「タイピスト」のネタバレあらすじ結末や感想考察と評価など、総合的な情報をお届けします。

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映画「タイピスト!」の作品情報

【公開日】
2013年8月17日(日本)

【上映時間】
111分

【監督】
レジス・ロワンサル

【製作】
アラン・アタル

【脚本】
レジス・ロワンサル
ダニエル・プレスリー
ロマン・コンパン

【出演者】
ロマン・デュリス(ルイ・エシャール)
デボラ・フランソワ(ローズ・パンフィル)
ベレニス・ベジョ(マリー・テイラー)
ショーン・ベンソン(ボブ・テイラー)
メラニー・ベルニエ(アニー・ルプランス=ランゲ)
ニコラ・ブドス(ジルベール・ジャピー)
ミュウ=ミュウ(マドレーヌ・エシャール)
エディ・ミッチェル(ジョルジュ・エシャール)
フレデリック・ピエロ(ジャン・パンフィル)
フェオドール・アトキン(アンドレ・ジャピー)
マリウス・コルッチ(ルシアン・エシャール)

映画「タイピスト!」のネタバレあらすじ

タイピングの才能をもつローズ、秘書になるための面接へ

1958年、フランス。

ローズは保険会社の秘書職を目指して面接に挑みます。

多くの女性がひとつのポジションを競い面接会場は大賑わい。

秘書の経験がないローズは「秘書の鉄則」を自信たっぷりに語る志願者女性たちのなかで縮こまるばかり。

しかしそんなローズにはひとつの強みがありました。

それは、バツグンのタイピング速度です。

雑貨屋の娘であるローズは夜な夜な売り物のタイプライターで練習し、タイピング力を身に着けていたのです。

しかし独学故のクセがあります、ローズは指10本ではなく人差し指2本技法のタイピストでした。

ローズの能力を磨くことに喜びを見出す上司のルイ

ローズに縁談を持ち掛ける父をふりきり、街を出て保険会社の社長ルイの秘書になったローズ。

タイピング力を評価されて採用されたローズでしたが、秘書としての能力は到底ルイの求めるレベルには届いていませんでした。

1週間の試験雇用が終わったとき、ルイはローズを秘書として雇い続ける条件としてタイピング大会への参加、そして優勝を求めます。

思ってもみなかった条件に戸惑いながらも、手探りで大会に出場するローズ。

熟練秘書の机がズラリとならぶ大会会場、ローズはあと一歩足らず結果を残すことはできませんでした。

敗北はクビを意味する・・・田舎へ帰る準備をするローズ。

しかし訓練もせずに惜しいところまで行ったローズの才能に、ルイは心を躍らせていました。

ルイはこれまでにスポーツの経験が豊富で、訓練、向上、結果のプロセスのコーチになる自信がありました。

自分の手でローズの能力を磨き、実力を開花させたい!

ルイは次の大会への出場を打診し、ローズを採用しつづけると伝えるのでした。

これは師弟愛?それとも・・・

勝利へのカギはただ一つ、2本指打法からの脱却と10本指タイピングのマスター。

しかし負けん気の強いローズと、鬼コーチのルイはなにかとぶつかりがち。

大きな屋敷に住み料理をこなすルイと、整理整頓も苦手で根っから秘書の才能がないローズ。

まるで違うタイプの2人でしたが、ひとつ屋根の下で訓練の日々を過ごしながら距離が縮まっていきます。

指の訓練にピアノ、体力作りに走り込み、訓練の成果は地区予選の結果となり見事ローズは優勝!

いっそう深まってゆく2人の仲。

全仏大会への切符を勝ち取った喜びを分かち合いたい2人でしたが、一方で互いを意識しながらも意地を打破できずにくすぶってもいました。

全仏大会を制し、そしてローズの元を去るルイ

喧嘩しては近づきを繰り返しながら迎えたパリの全仏大会。

緊張感高まる大会前夜、ついに2人は師弟愛をこえた夜を過ごします。

訓練された一流のタイピストたちに交じりながらも実力を発揮して勝ち上がってゆくローズ、ついには決勝戦の一騎打ちを迎えます。

優勝歴があり人気の高い対戦相手に食いついてゆくローズ。

すっかりローズの性格を知り尽くしたルイはローズの怒りを引き出す方法で巧みに誘導し、ついには優勝を果たします。

喜びとともにルイに愛を伝えるローズでしたが、ルイはローズを怒らせることで能力を引き出した自身のコーチとしての指導力に自信を無くしローズの元を去るのでした。

目標が見えないままのローズの訓練、別れを後悔するルイ

国内大手のタイプライター会社と契約し、広告塔としてすっかり時の人となったローズ。

全仏を制した彼女が次に向かうのは、世界チャンピオンの国アメリカ。

セレブの生活を送りながら、がむしゃらに訓練だけをつづけてゆくローズ。

一方のルイは、自分の意地が招いた別れへの後悔にさいなまれ続けていました。

かつての恋人であり、今は親友の妻となったマリーは「あなたは臆病よ」と、欲しいものを自ら手放してきたルイを叱咤します。

決戦の舞台はアメリカ、ルイはローズを追って会場へ・・・

ついにローズはアメリカへ渡り、タイピングコンテストを決勝まで勝ち上がってゆきます。

フランス以上にエンターテイメント化された会場でアウェーのフランスチーム、ローズは追い詰められてゆく自分を隠せません。

しかしローズを追いかけてアメリカへとやってきたルイの素直な愛の告白にローズは一変、タイプライターと一体化したかのような早業で実力を発揮し会場の空気を変えてゆきます。

世界記録を更新し、ローズは世界チャンピオンに!

これまでの訓練はプライドのためでも自己満足のためでもなく、ローズとルイの愛を結ぶためにあったことを確認しあう2人でした。

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映画「タイピスト!」の感想と考察

タイピング訓練で走り込み・・・これは紛れもなくスポ根映画である!

かわいらしいフランス映画と思いきや、内容は熱血スポ根映画!な驚きがある「タイピスト!」。

見出された女性が持ち前の才能を開花させてゆくサクセスストーリーは、古くは「マイ・フェア・レディ」が思い返されます。

その熱血ぶりは「ミリオンダラー・ベイビー」のようでもあり、本来スポーツではないジャンルのものをスポーツかのように描く雰囲気は「セッション」も思わせます。

この根性映画の雰囲気を作りあげているのは、主演を務めたデボラ・フランソワの功績が大きいといえるでしょう。

ローズ役はオーディションで勝ち取ったデボラ。

その前準備には父親の職場から借りたタイプライターで練習を重ねて、オーディションに挑んでいます。

タイプの早打ちという才能があるローズ役ですが、タイピングシーンはデボラ本人が演じ、早回し撮影は行っていないのでデボラは実際にあの早打ちを行っているということです。

とくに世界大会での何かが憑依したかのようにタイピングにのめりこんでゆくデボラの演技は、こちらが瞬きを忘れます。

冒頭の指1本打ちもあの速度がホンモノかと思うと、脱帽です。

天才の役を演じられるキャストが作り上げた作品だからこそ生まれる熱があります。

フランス映画らしいポップさと、この熱のギャップが爽快な映画なっています。

女性の社会進出が少しずつ叫ばれていた時代背景

ローズはなぜ秘書のポジションを狙ったのでしょうか。

ローズだけではありません、この1950年代後半の女性にとって、社会的に最も高い地位にあったのが秘書という職業でした。

それでもやることといえば電話とり、シュレッダーといった単純作業。(ローズはこれもまともにできていませんでしたが・・・)

ルイの親友ボブは、悪気なしに時代を代弁した発言をしています。

「秘書はデートして結婚するものだ」

女性にとって社会的に最高の地位にあるポジションを獲得したとて、その先にあるのは結局結婚なのです。

この映画はそうした時代における女性の自立をテーマにしたものではなく、ローズが女性の地位向上を望む行動をとっているわけでもありません。

しかしローズは好みの男性のタイプを聞かれて、迷うことなく「自分を対等に扱ってくれる男性がいい」と答えます。

少しずつ女性の地位向上への意識が開花しはじめた芽吹きを、嫌みなく扱っているのがこの映画の上手いところです。

映画「タイピスト!」の評価とまとめ

これがハリウッド映画であったらまったく違う印象の作品になっていたことだろうと、勝手に想像してしまいます。

最後には「アメリカ人にはビジネスを、フランス人には恋を」と物語が占められていることにわかるように、熱血スポ根が恋愛映画として幕を閉じます。

フランス映画ならではの色合いと、良い意味での軽さがあります。

熱とポップさのバランスの良さが、観客に後味の良さを与えてくれる映画です。

そして、カチカチと音が出るキーボードを今すぐタイピングしたくなる映画なのです!

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