映画「エターナル・サンシャイン」はミュージックビデオ制作からキャリアをスタートさせた異色の監督、フランス出身のミシェル・ゴンドリーによるちょっぴり不思議なラブストーリー。

辛い恋愛の記憶を消すための手術を受けることにしたジョエルは、手術の最中に”消したい記憶”である恋人の大切に気づく。

やっぱり彼女の記憶を消したくない!脳内で消されゆく自分の記憶の中を逃げ回ることになって…?

失恋で傷心のジョエルを「マスク」のジム・キャリーが、奔放な彼女のクレメンタインを「タイタニック」のケイト・ウィンスレットが演じます。

2004年度のアカデミー脚本賞をはじめ世界中で数々の賞に輝いた00年代の恋愛映画の金字塔・映画「エターナル・サンシャイン」のネタバレやあらすじは?考察と感想や評価、詳しく解説します。

映画「エターナル・サンシャイン」の作品情報

【公開日】
2005年3月19日(日本)

【上映時間】
107分

【監督】
ミシェル・ゴンドリー

【脚本】
チャーリー・カウフマン

【出演者】
ジム・キャリー(ジョエル)
ケイト・ウィンスレット(クレメンタイン)
イライジャ・ウッド(パトリック)
キルスティン・ダンスト(メアリー)
マーク・ラファエロ(スタン)
トム・ウィルキンソン(ハワード博士)

【主な受賞】
アカデミー賞/脚本賞
サターン賞/SF映画作品賞
英国アカデミー賞/編集賞、脚本賞
セントラル・オハイオ映画批評家協会賞/脚本賞
英国エンパイア賞/英国主演女優賞
カンザスシティ映画批評家協会賞/脚本賞
ラスベガス映画批評家協会賞/脚本賞、主演女優賞
ロンドン映画批評家協会賞/英国主演女優賞、脚本賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー/脚本賞
放送映画批評家協会賞/作品賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞、編集賞

映画「エターナル・サンシャイン」のネタバレあらすじ

記憶をめぐる物語、「エターナル・サンシャイン」。

本作では時系列が交差しながら物語が進んでゆきます。

映画を見ながら矛盾を感じたところ、話が解らないように感じたところは、物語が紐解かれてゆくうちにすべてが気持ちよく繋がっていきます。

物語のピースをひとつずつストックして、あなたの頭の中で繋げていきましょう。

きっと、見終えてすぐにもう一度見直したくなること間違いありません。

ジョエルとクレメンタイン、ふたりの恋のはじまり

ある朝、ジョエルはいつものように仕事に向かっていました。

しかしその日はふと思い立ち、衝動的に出勤とは別の方向に向かう電車に乗り込みます。

何をするでもなく行きついた先の浜辺で、ジョエルは青い髪をした奇抜な女性クレメンタインと出会います。

見た目にも言動にもオリジナリティがあふれるクレメンタインに戸惑いながらも、彼女の魅力に引き込まれるように、ジョエルは恋の始まりを予感します。

喧嘩した彼女は、自分の記憶を消していた

ところかわり、バレンタインを目前に控えたある日のこと。

ジョエルはちょっとしたいざこざで恋人、クレメンタインと喧嘩をしてしまいます。

仲直りの印にとプレゼントを手に、クレメンタインの職場である本屋へと彼女に会いに行くジョエル。

しかしそこでジョエルを迎えたのは、彼のことをすっかり他人として扱うクレメンタインでした。

はじめて会うかのような態度で書店員として接してくるクレメンタインには、おまけに新しいボーイフレンドまでいる様子。

ジョエルは訳も分からず本屋を後にするしかありませんでした。

どうしてよいかもわからずに友達夫婦の自宅を訪ねたジョエル。

憔悴した彼を前に、バツのわるそうな顔をした友人は1枚の手紙を差出します。

「クレメンタインは、ジョエルに関する記憶を消去しました。ジョエルとの関係を彼女に二度とお話なさいませんように。」

手紙の署名には、ラクーナ社とありました。

クレメンタインの記憶を消す決意をしたジョエル

恋人が自分の記憶を消した。

この事実を受け止めきることができなかったジョエルはラクーナ社をおとずれ、自分も彼女の記憶を消すことを決意します。

家中にあった彼女との思い出の品々をまとめて持ち込み、自分の頭の中からすっかりクレメンタインを取り除く処置へととりかかります。

処置室の中で横たわるジョエルは睡眠療法のさなか、夢と現実を行き来する不思議な感覚を味わっていました。

これまでの彼女との思い出をさかのぼるように、楽しかったこと、喧嘩のこと、いろんな話をしたなんでもない1日のこと、さまざまな記憶が頭の中にあふれてきます。

失恋の悲しみを消していくかのように、ひとつずつ削除されていくクレメンタインとの思い出。

今まで忘れていたような記憶までさかのぼって巡っていくうちに、後悔の念がジョエルを責め立てるようになっていきます。

クレメンタインとの思い出は美しい、やっぱり記憶を消したくない!

消えてゆく記憶を逃げまどう、ジョエルとクレメンタイン

脳内のジョエルは記憶のなかのクレメンタインの手をとり、削除から逃れようと模索しはじめます。

記憶の中を目まぐるしく動き回りながら、彼女を知る前の自分の記憶、幼少の記憶の中へ逃げ込もうと試みるジョエル。

ここは本来クレメンタインがいないはずの記憶の中。

きっとここなら逃げ込める!

必死に脳内にクレメンタインの存在をとどめようともがきますが、それでもひとつ、またひとつ、記憶の中のクレメンタインは削除されていきます。

これ以上消さないで、処置をやめてくれ!かつてクレメンタインと共にいたはずの思い出の地で、ひとりきりのジョエルの叫びはむなしく掻き消えます。

何度でも恋をしてしまう、エターナルなふたり。

自宅のベッドで目を覚ましたジョエル。

理由がわからないままに、なんとなく気分がのらない朝でした。

思い立ったままに、衝動的に出勤とは別の方向に向かう電車に乗り込みます。

行きついた先は、たくさんの思い出がある浜辺。

ジョエルは青い髪をした奇抜な女性クレメンタインと出会います。

お互いの記憶がないジョエルとクレメンタインは、それでも失った何かを探すように二人の思い出をたどり、再び恋に落ちるのでした。

映画「エターナル・サンシャイン」の感想考察と評価

時系列を把握するためのヒントとは?

この作品は、ジョエルの記憶をめぐる物語。

冒頭でご説明のとおり、映像の時系列はバラバラです。

二人が記憶を消す前のこと、クレメンタインだけが記憶を消したときのこと、二人が出会うまえ、記憶を消したあと…

自分が今みているのはどの時点の話なのか?意図的に混乱するように作られています。

夢と現実が入り混じるかのような不思議な映像で、観客は混乱するジョエルの記憶を視覚的に体験することになります。

話がつながらずに混乱してしまうかもしれませんが、時系列を理解するためのヒントになるものがあります。

それは、クレメンタインの髪の色。

ジョエルと出会う前は緑、交際中にオレンジ、記憶を消したあとには青。

カラフルに印象を変えていくクレメンタインの髪色から、時系列を読み取ってみましょう。

レトロな映像イリュージョン、ゴンドリー監督ならではの映像美

人間の記憶は曖昧なものです。

いつの出来事だったか、誰といたか、思い出の日にどんな服を着ていたか、一生忘れないと思っているものでも後になって思い起こすことはとても難しいですよね。

その曖昧さは、ちょうど寝ているときに見る夢の世界のようで、ゴンドリー監督は見事に視覚的に表現しています。

斬新な映画なのに、夢で見たことがある既視感を覚えるのです。

本屋にいるのに、本のタイトルがぼやけて見えない。子供のときの友達といたはずが、いつのまにか現在の恋人と入れ替わって話が進んでいく。

自分の部屋で寝ているはずが、いつの間にかベッドは野外に移動している。

目の前で会話をしている相手の顔がブレて誰だかわからない。

めちゃめちゃに思える出来事が、最後にはきれいに1本につながり、曖昧に思えたことには、曖昧になる理由があることを理解します。

CGに頼らない手作り感のある舞台セットが一層”リアルな幻想”を引き立てます。

演技派俳優たちの夢の共演にも注目

ジョエルを演じるのは、体を張ったコメディ役のイメージが強い「トゥルーマンショー」や「イエスマン “YES”は人生のパスワード」のジム・キャリー。

そしてクレメンタインを演じるのは、2009年のアカデミー主演女優賞に輝いた「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレット。

コメディマンが演じる失恋&傷心の男、演技派が演じる衝動的で奔放な女、この二人の一見違和感を感じるカップルも、見終えたあとには「この二人以外ありえない!」抜擢だったと心の底から思えます。

脇を固める俳優、女優陣も要チェック!

ラクーナ社の受付嬢メアリーを演じるのは「メランコリア」でカンヌ主演女優賞に輝いたキルスティン・ダンスト。

その恋人スタンには、すっかり「アベンジャーズ」シリーズのハルクでヒーローの顔となったマーク・ラファエロ。

クレメンタインの新恋人となるパトリックは、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド。

いずれもいまだ名演技が色あせない顔ぶれたちです。

映画「エターナル・サンシャイン」のまとめ

物語は主に冬景色とともに進みます。

氷のはった湖、雪の残る浜、冬景色を舞台にした作品に名付けたられたタイトル「エターナル・サンシャイン(永遠の陽だまり)」。

記憶を消したくなるほどの苦しみの中から生まれる愛おしい気持ち、そのコントラストが陽だまりのように美しい珠玉のラブストーリーです。

是非次の1本には、映画「エターナル・サンシャイン」にトライしてみては?

記憶に残る映画体験ができますよ。

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