宮崎あおい主演の漫画が原作の作品でクライマックスの宮崎あおいの歌とギター演奏も注目です。
また、監督を務める三木孝浩さんはいきものがかりや、YUI、オレンジレンジなどのMVを手掛けてきた方です。
三木孝浩監督のゆるーい世界感を表現しながら、色やシルエットが上手に使われています。
そこで今回は映画「ソラニン」のネタバレあらすじと感想考察や評価などをご紹介します。
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目次
映画「ソラニン」の作品情報
【公開日】
2010.4.3
【上映時間】
126分
【監督】
三木孝浩
【脚本】
高橋泉
【原作】
浅野いにお
【出演】
宮崎あおい
高良健吾
桐谷健太
近藤洋一(サンボマスター)
伊藤歩
映画「ソラニン」のネタバレあらすじやラスト結末
芽衣子と種田
大学の軽音サークルで知り合った芽衣子と種田は芽衣子のアパートに種田が住む事になり狭い部屋で一緒に住んでいました。
芽衣子は大学を卒業後、企業のOLとして働いて2年目。
後輩から、彼氏のバイトでは食べていけないですよねと驚かれる
「だから一緒に住んでるんだよ」と後輩に言われてコピー機を修理しながら、そんな話をする。
私にはコピー機を直したりは必要ないですからー、化粧ばっちりな後輩は男性社員からチヤホヤされて喜んでいた。
その横でテストコピーに中指を立てて印刷したところを上司に見られ、大学ノリが抜けてないと注意される。
タバコを吸いながら「ま、いいか」と呟きながら毎日をやり過ごす。
家に帰ると、バイトから帰ってソファで寝る種田の姿。
「もう、、会社辞めちゃおっかな。」と小言を言う。
「辞めちゃいなよ。芽衣子さんがそうしたいなら。俺がなんとかする。」
この言葉を信じて芽衣子は辞表を出すします。
しかし、それを聞いた種田は「えー、これからどうしよう。あれは、半分寝言で」と焦る様子。
バンドROTTI
種田は加藤とビリーと3人でバンドを続けていて、月に2回、スタジオで演奏していた。
バンドの加藤と付き合うあいちゃんと様子を見にスタジオに来た芽衣子。
その日の演奏はめちゃくちゃで、ほとんどボーカル種田の暴走でした。
スタジオ帰りにいつもの5人で飲みに行って、話題は芽衣子の退職についてだった。
みんなの前でははぐらかす種田でしたが、芽衣子と2人での帰り道種田は「これから不安、」と本音を漏らします。
「ごめんね、私ちゃんとするから。」
次の日、芽衣子は早速部屋で種田がお揃いで買ってきた日記を書き始めました。
そこに芽衣子の家に電話がなります。
芽衣子の母親が同窓会で東京に来ているとの事でした。
一緒に住んでいることを隠している芽衣子は種田を追い出し、駅まで迎えに行きます。
家では芽衣子が仕事を辞めたことを知った母親から家に帰ってこいと言われ、自分の人生なんだからほっといてと喧嘩してしまいます。
家を飛び出した芽衣子は親の薬局を手伝うビリーの元に行きます。
種田は本当はどう考えてるんだろ。
それは本人に聞けと言われて芽衣子は帰ります。
種田は加藤のバイト先、楽器屋さんにいました。
帰り道、加藤からまた人前で演奏しようぜと言われますが、たぶらかす種田。
加藤は大学の軽音部でベースを弾いていると、ショートカットの新入部員の鮎川が入部届を持ってきます。
加藤が大学6年と聞き、終わってると笑われます。
バイト終わりに種田はビリーの薬局へ。
仕事が終わるのを2階の部屋で待ちます。
その間、雑誌を積み上げて作られたドラムをリズムよく叩く種田。
「あんまりやってると親父が怒鳴り込んでくるからな」と注意されながらも、叩き続けました
向き合う勇気
家に帰ると種田はなんだか元気が無い様子で、芽衣子が「バイト辛いの?」と聞くと、「楽しくはないよ」と種田は答える。
「やっぱりバンドちゃんとやったら?」と芽衣子が思い切って話します。
「才能がないから、って逃げるな。好きな音楽で否定されるのが怖いだけでしょ」
その言葉に押されてスタジオでは種田達が練習していました。
新しい曲を真面目に指示する種田に加藤もビリーもにやけます。
帰ってきた種田は、バンドをちゃんとすることを芽衣子に話します。次のレコーディングに集中したいから、バイトは辞めたよと。
次、何のきっかけもなければバンドは解散。
え、と驚く芽衣子ですが種田は本気でした。
レコーディングには、あいちゃんと芽衣子も見守りに行きました。
芽衣子は出来上がったCDに色んなライブハウスやレコード会社の宛名を書いて、5人でポストに投函し手を合わせてみんなは海辺で花火をします。
5人みんなで大はしゃぎ、警察に見つかって浴衣の芽衣子の手を引いてみんなで走って逃げます。
種田のところにレコード会社から連絡があり、種田とビリーと芽衣子でレコード会社に向かいます。
新人担当の冴田さんから名刺をもらい席につくと、早速話は始まりました。
グラビアアイドルがアーティストとしてデビューするので、バンドとして出て欲しいという内容でした。
グラビアアイドルが書く歌詞で、楽曲は会社が提供してくれる、条件としてはいいと思うけどなと説明を受ける。
種田を遮り芽衣子がお断りしますとはっきり断ってしまいます。
じゃ、今日はありがとねと部屋を出ていく冴田を、種田は追いかけます。
実は冴田は種田が高校時代バンドを始めるきっかけとなるアーティストだったのです。
「大衆に受け入れられないと消えるんだ。守るものがプライドとかから、変わったんだろうな」と言われます。
その後はなんのきっかけもありませんでした。
種田の決断
種田と芽衣子は外に散歩にでました。
アイスを買って、アヒルボートにいきます。
種田が漕いで、静かなボートで種田が「芽衣子さん、俺たち別れよ」と言い出します。
「嫌だよ」と芽衣子が答えると、「じゃ、俺の実家で2人で店手伝う?」と聞き返す。
「そんなの種田らしくないよ」と芽衣子が言い、「俺らしいってなんだよ。俺に押し付けるなよ」と返す。
そこに強い風がふいて、種田はメガネを湖に落とし、拾おうと芽衣子が湖に落ちてしまいます。
芽衣子は湖から顔をだし、「そんな大事なこと勝手に決めるな、ばか」と言います。
「俺がなんとかするって言ったじゃん。ごめん、俺最低だった」と種田は言い、芽衣子を抱きしめ2人は仲直りして帰ります。
真っ暗の部屋で種田は芽衣子を抱きしめ、ちょっと行ってくると言ったきり、戻ってきませんでした。
芽衣子は熱でボーっとしながら、レコーディングしたCD『ソラニン』をききました。
種田が出ていってから5日が経った頃、芽衣子に電話がかかってきます。
種田はバイト先に謝って徹夜で仕事してきたこと、色々自分で答えが出たことを伝える。
「早く帰ってきて、会いたい」と芽衣子が話す。
「あと芽衣子さん愛して…」と携帯の充電が切れて最後まで話せませんでした。
種田はバイクを走らせ帰りながら、「俺は幸せだ、、ほんとに?」と考えながら、涙が出てきます。
信号が黄色になり、バイクのスピードを上げますが、間に合わず信号は赤になります。
ドンと音がして、止まったバイクと倒れる種田。
種田は頭から血を流し、周りには人だかりが出来ていました。
失った悲しみ
芽衣子はお花屋さんでバイトを始めました。
18歳の男の子から運命の出会いだと言われながら聞き流します。
ビリーは部屋で雑誌のドラムを叩きまくってました。
注意しようと階段をあがるお父さんでしたが、寂しそうなビリーの姿をみて注意しませんでした。
ある日、ビリーは芽衣子の様子を伺いに肉まんを持って部屋にきてくれますが、インターホンを押しても返事がありません。
芽衣子は真っ暗な部屋で考えます。
あの時別れていたらと、いろんな後悔が溢れてきます。
付けっぱなしのTVから音楽が流れます。
あの時、話があったグラビアアイドルが3人のバンドと共にデビューしていたのです。
芽衣子はTVを倒すと大きな音が鳴り、外にいたビリーが中に入って芽衣子の顔を見ると、割れたTVの破片で顔が少し切れていました。
「無理ないよな、まだ2ヶ月しか経ってねえもんな」と加藤はガチガチに七三に髪型を決めてスーツ姿で言う。
芽衣子の家には種田のお父さんが荷物を引き取りに来ていました。
荷造りを始めながら芽衣子は種田の日記を見る。
「8月の終わりに実家に帰るって電話があったんです。でもそのあと、5日ぐらいしてやっぱりその話は忘れてくれって。大事なものが見つかったからって。きっと芽衣子さんのおかげですね」
お父さんはそう話して、種田のギターを持って帰ろうとしますが、芽衣子が止めます。
「あとの荷物は着払いで送ってくださいね」と話し、お父さんは帰って行きました。
ROTTI再スタート
公園には七三頭の加藤と夜なのにサングラス姿のビリーがいました。
そこに種田のギターを背負った芽衣子が現れます。
スタジオに向かい、芽衣子はアンプの使い方を教わります。
乗り気になれないビリーでしたが、芽衣子は本気でした。
次の練習日もスタジオを押さえてるからと話し、芽衣子は必死に練習するからと約束しました。
大学の部室で憂鬱になる加藤に声をかけてくれたのは、鮎川でした。
就職決まったことを話していると、鮎川から1ヶ月後レコード会社が来るライブがあるんでと誘われます。
その話を加藤から聞いた芽衣子は「やりたい。ソラニン歌ってみたい」と乗りました。
芽衣子は家でも、バイト先でも練習していました。
芽衣子が、ギターを背負って人混みを歩き、河川敷まで向かって練習していると、あいちゃんが来ます。
「ねえ、ソラニンって別れの歌かもっていったでしょ?上手く言えないけど、過去の自分との別れの歌なのかも」
夜、こたつで寝ている芽衣子が目を覚ますと目の前にビリーの顔がありました。
「わあ!なんで勝手に入ってくるかな」と怒る芽衣子に、「練習最終日に寝坊なんてボッコだかんな」と言われ、慌てて出かける。
ビリーは自転車の後ろに芽衣子を乗せて、「なあ、芽衣子。こんなこと聞くことじゃないかもしれないけど、もう大丈夫か?俺は全然悲しくなんかねえ。あんな死に方して何になるんだ。けどなんだか涙が止まんねえんだ。」と涙を流すビリー。
「あんた、いいやつだよ。」芽衣子は後ろからおでこをビリーの背中に当てて、そう言いました。
最終練習を終え、いよいよ本番当日。
舞台で緊張する芽衣子は加藤とビリーに助けられながら、なんとか歌い切ります。
ライブ会場にはレコード会社の冴田さんが見に来ていました。
3ヶ月後、芽衣子の引越しにみんなが手伝ってくれて芽衣子は、種田と過ごした部屋に別れを告げるのでした。
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映画「ソラニン」の感想考察や評価
冒頭でも説明しましたが、この映画はシーンごとの演出、空気感がゆるく表現されています。
どのシーンを切り取ってもMVみたいなお洒落な空気感が心地よいです。
最後の宮崎あおいの熱唱も、完璧じゃないいい声でリアルな感じが表現されています。
ソラニンはじゃがいもの芽の毒の部分。
毒だけど、じゃがいも自体の成長には欠かせないもので、だらっとしたゆるい幸せな日常から抜け出そうともがくことが成長には必要で、成長とは過去の自分との別れの積み重ねなのではないでしょうか?
もがきながらもまっすぐ生きようとする、芽衣子たちのリアルな姿に最後は涙してしまう感動作です。
このゆるい世界観にあなたも涙しませんか?
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