映画「ブラック・スワン」は「レスラー」のダーレン・アロノフスキーが監督を務め、スターウォーズシリーズのナタリー・ポートマンが主役のニナ役を演じ、アカデミー主演女優賞を獲得した。

バレリーナのニナは「白鳥の湖」で主役を貰うが、過保護な母親やライバルなどのプレッシャーから、どんどん精神を病んでいってしまい、極限の精神状態で舞台の初日を迎えるが…

ナタリー・ポートマンの狂気の演技が光るサイコスリラー。

映画「ブラック・スワン」のネタバレあらすじや感想考察と評価など、総合的な情報をお届けします。

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映画「ブラック・スワン」作品情報


【公開日】
2011年5月11日

【上映時間】
108分

【監督】
ダーレン・アロノフスキー

【脚本】
マーク・ヘイマン
アンドレス・ハインツ
ジョン・J・マクローリン

【出演者】
ニナ・セイヤーズ:ナタリー・ポートマン
トマ・ルロイ:ヴァンサン・カッセル
リリー:ミラ・クニス
エリカ・セイヤーズ:バーバラ・ハーシー
ベス・マッキンタイア:ウィノラ・ライダー

映画「ブラック・スワン」のあらすじやネタバレ

バレリーナのニナはニューヨークの一流バレエ団に所属しており、毎日レッスンに励んでいた。

ニナの母親もバレリーナ志望だったが28歳の時、妊娠し夢を諦める事に、それからは娘のニナに自分の夢を託し異常な程愛情を注いで過保護気味であった為、ニナは内気で真面目過ぎる性格になっていった。

バレエ団は次の公演で「白鳥の湖」を上演する事が決まり、主役のダンサーを選ぶ事に…。

「白鳥の湖」は純粋で清純な白鳥と官能的で情熱的な黒鳥の物語で、白鳥と黒鳥は同じダンサーが演じる事になっていた。

ニナも最終候補に選ばれるが、演出家のトマから白鳥の演技は完璧だが、官能的な黒鳥の演技は無理だと言われ黒鳥を演じたいなら自分を解放してみろと、いきなりキスをされる…

ニナはビックリしトマの唇を噛んで逃げ出すが、そこにニナの新たな一面を見つけたトマは期待を掛けニナを主役に抜擢する。

喜ぶニナだが、黒鳥のパートがどうしても上手く踊れず、ストレスとプレッシャーで押しつぶされそうになる。

そこに、新人のリリーが現れ、彼女は妖艶で自由奔放な黒鳥の雰囲気にピタリだった…。

リリーの存在が気になり、黒鳥になりきれないニナは妄想や幻覚が酷くなり、精神が蝕まれていった。

そして、ついに初舞台の日、妄想に取りつかれ最悪の精神状態で公演に臨むニナだが、白鳥の踊りの最中で転んでしまい、追い詰められたニナは代役のリリーを割れた鏡の破片で刺殺してしまい、そのまま舞台を続ける。

そして、楽屋に戻ったニナはリリーの死体を隠すが、直後に殺したはずのリリーが楽屋に訪れ驚き、自分のお腹から出血している事に気付き、隠したはずの死体も消えていた。

そう、ニナはリリーを刺したのでは無く自身を刺してしまっており、全ては自分の妄想だったのだと悟った。

そのままニナは最後の舞台に向い、ラストの白鳥が崖から身を投げるシーンを演じ、飛び降りたニナ、お腹からは大量に出血しており、大歓声の中「完璧だった」と言い残し目を閉じる…。

ニナの夢

夢の中で白鳥の湖を踊っていたニナは目を覚まし、母親に夢の話をしながらレッスンに行く準備を始める。

ニナは小さい頃からバレエを習い、今ではニューヨークの名門バレエ団に所属しプリマドンナを目指しレッスンに励んでいた。

また母エリカは自分が果たせなかった夢を娘に託しながら、ニナをいつまでも子供扱いし、過保護になり束縛し何かと干渉していた。

その為、ニナはバレエの才能を開花させたが、臆病でいつもおどおどしていた。

ある日、バレエ団で「白鳥の湖」を公演する事に決まった。

この物語は、白鳥の乙女と恋に落ちた王子、それと王子を誘惑する黒鳥の物語で、何度も上演されている、有名な演目で白鳥と黒鳥を同じダンサーが演じるのが決まりだった。

演出家のトマは今回、上演する「白鳥の湖」は斬新に変革を行うと言い、より官能的で力強い作品に創り直し、その為新しい女王(プリマドンナ)を選ぶとの事だ。

今までバレエ団ではベスが女王だったが、年齢を理由に降ろされる事になっていた。

ニナはベスに憧れており、時々彼女の楽屋に黙って入り、度々小物をひっそりと盗んでいて、その日も口紅を取って来てしまった。

その後レッスンに戻ったニナ、その時トマが女王の候補を選ぶ為、レッスンを見学しにやって来て、ニナも候補に残る事が出来た…。

憧れのプリマドンナに…

最終オーデションでニナが踊りを見せていると、途中で遅れて新人のリリーが入って来た為、ニナは気が散って失敗してしまい、トマからもういいと言われてしまう。

落ち込みながら帰ったニナは、家でも足の爪が割れる程、猛特訓をしていた。

次の日、ベスから盗んだ口紅を付け、トマに主役を貰える様に直談判をしに行ったが、「ヴェロニカに決めた」「君には白鳥のイメージしか無い。黒鳥を演じたいなら自分を解放してみろ」と言われ、いきなりキスをされる。

ビックリしたニナはトマの唇を噛んで逃げてしまう、ニナに新たな一面を見たトマは期待を掛けニナを主役に選ぶ事にした。

配役表を見て自分が主役に選ばれた事が分かり、ニナは個室トイレで母親に電話で喜びの報告をしてトイレから出ると鏡に「アバズレ」と書かれてあった。

プレッシャー

家に帰ると母がケーキで祝ってくれるが、少しで良いというニナに腹を立て、ケーキを捨てようとするが、ニナは食べるからと母をなだめる。

次の日から、舞台に向けてのレッスンが始まるが、黒鳥を演じきれずに落ち込んでいると、リリーが踊っている姿が目に入り見入ってしまう、するとトマが「彼女の踊りは予測不能で官能的だ」とリリーを褒める。

公演のスポンサーに向けたパーティが開かれ、新たなプリマドンナのニナのお披露目とベスの引退が発表されると、ニナは緊張しプレッシャーの為か、いつも以上に神経質になり、指のささくれが気になって皮を剥いで手が血だらけになる幻覚を見てしまう。

パーティの後、ニナはトマに家に誘われロビーで彼を待っていると、酔ったベスが現れ「体を使ってプリマの座を取ったのか、アバズレ女」と言われ動揺していると、トマが来てその場を取り繕う。

トマの家に来たが、性的な話を振られ、上手く答える事が出来ないニナに「課題として自慰をしろ、黒鳥を演じるには性の悦びを知り、解放する事が必要」とトマに言われてしまう。

家に帰ったニナに母親が甲斐甲斐しく世話をしていると背中にひっかき傷を見つけ、問いただし、まだ自傷行為をやっていたのかと非難する。

トマに言われた通り自慰をしてみるニナだったが、母親の姿が目に入り上手くできない。

次の日ベスが事故に遭ったと聞き、ニナはショックを受けトマに状況を聞くとパーティの後、おそらく自分から車道に出て行ったのではないか…と。

黒鳥が演じられない焦りから…

レッスンは続くが、ニナはどうしても黒鳥を上手く演じられずにいた…。

その日も上手く踊れず落ち込みレッスン後一人で泣いていると、リリーが現れ慰められるがプレッシャーと焦りで幻覚も酷くなってくるばかり…

次の日、レッスンをしていると昨日一人で泣いていた事をリリーがトマに伝えており、強くなれと、きつく言われリリーに怒るニナ。

帰ってからもニナには心安らぐ時は無く、母からトマとの仲を疑われては、気を付けろと忠告され、あなたを妊娠したからバレエを諦めたと言われイライラし母と口論になる。

そこに家のチャイムが鳴り、出るとリリーが訪ねて来ており今から出掛けようと言う、母は追い返そうとするが、母にイラついていたニナは母を振り切りリリーと出て行く…。

リリーから麻薬を勧められニナは初めての感覚を味わい、勢いで出会った男たちと身体を重ねる…そして、リリーを家に連れて帰り母を自分の部屋から追い出し、2人で行為に耽る…。

疑心暗鬼

翌朝、起きると隣にリリーの姿は無く、レッスンに遅刻してしまう。

レッスン場に着くと、ニナの代わりにリリーが代役として踊っており、リリーになぜ起こしてくれなかったかと聞くと、昨日は、あのまま男たちといてニナの家には泊まってないと…リリーとの出来事はニナの妄想だったのだ。

レッスンを開始すると、いつものニナとはどこか違い、格段に良くなっていた。

その後、リリーを代役に立てた事を聞かされ、彼女に役を奪われないか心配になり、トマに彼女だけはダメだと必死に訴えるが、大丈夫だ、君は見事に開花したと褒められるものの、代役は必要だから…と言われ不安で押しつぶされそうになるニナ。

初舞台前日、ニナは夜遅くまで猛練習していると鏡の中の自分が違う動きをしているのを目撃し怖くなる、その瞬間ライトが消えリリーとトマが身体を重ねている幻覚が見え、思わず飛び出す。

完璧

家に帰っても幻覚症状は止まらず、母親が書き貯めていた自分の自画像が笑っている様に見え、背中のひっかき傷が痒くなり掻き毟ると黒い羽根が生えてきて、さらに足がありえない方向に曲がってしまい、ニナは母の前で気絶してしまう。

公演初日の朝、ニナは目覚めると横に母がおり今日は休んだ方が良いと…休みの連絡を入れておいたとの事。

母に「ママみたいな大勢その他とは違う!」と怒り、制止を振り切り舞台に向ったニナはトマに「私が踊る!」と言い切り、トマも「君の成功を阻むのは君自身だ、邪魔者は消して解き放て」と踊る事を許可する。

準備をしている時も足の指が癒着し鳥の足の様になる幻覚を見るが、そのまま準備をすませ舞台に出て、白鳥のシーンを順調に踊っていく。

しかし、リリーが男性キャストと出番の合間いちゃついているのを見ると不安に苛まれ、失敗してしまう。

不安定なまま楽屋に戻ると、なんとリリーが黒鳥の準備をしていて「私が代わりに次の黒鳥のシーンを踊る」と、ニナは激昂しリリーを割れた鏡の破片で刺し殺してしまう…。

すると黒鳥に乗り移られた様に自信に満ち溢れ、素晴らしい黒鳥の演技を魅せ大歓声を浴びるニナ、黒鳥を自分のものにできた瞬間だった…踊り終えるとトマに情熱的なキスをする。

楽屋に戻ると死体を隠したバスルームから血痕が漏れており、それをタオルで隠しているとドアをノックされ出ると、殺したはずのリリーが立っていて、とても良かった次も頑張ってと激励され去っていった。

驚くニナはバスルームを見ると隠したはずの死体が消えている…全てを悟った様に自分の腹部を見ると出血しており傷の中から鏡の破片が出てきた。

絶望し泣きながら準備をするが、どこか解放された気分だったニナはそのまま最後の舞台に向かい白鳥の舞を踊る。

そして、ラストの崖から身を投げるシーンを演じ終えると観客からの大歓声が聞こえ、トマや他のキャスト達が周りに集まり成功を祝福したが、ニナの腹部からは大量血が。

救急車を呼ぶように叫ぶトマに「感じた…完璧だった」と言い、大歓声の中ニナは目を閉じた…。

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映画「ブラック・スワン」の感想と考察

美しく最高に怖い作品…。

人間の精神の脆さ、精神的に追い詰められた時の人間の狂気が非常に上手く表現されていて、脚本もとても良く、そこに演技派のナタリー・ポートマンが魅せる狂気の演技が加わり素晴らしいサイコホラーだ。

才能もあり美しいが、精神的に脆く不器用なニナ、そして活発で奔放だが器用で世渡りが上手そうなリリー、自分より努力して無い様に見えるが、器用に何でもこなす人が羨ましくなる事は誰でもあるのでは…そしてそのプレッシャーから押し潰されそうになる。

白く美しい世界と黒く妖艶な世界の対比が非常に素晴らしく人間の二面性を上手く表している。

初日前日に鏡の前で練習するニナだが、鏡の中の自分が違う動きをする様に見え、背中から黒い羽根が生えてくるシーンは精神崩壊の始まりを現しており、まさに鳥肌もので恐ろしい…そして、ついに黒鳥と一体化する黒鳥の舞のシーンは怖く妖艶で美しくて圧巻だ。

演技派ナタリー・ポートマンの実力

「レオン」で鮮烈なデビューを飾ったナタリー・ポートマンの演技力の高さは以前から言われていたが、この「ブラック・スワン」でその実力を見せつけた。

自信が無く、いつも混乱しているかの様にずっと困り顔で(眉毛が八の字)常におどおどしているニナを見事に演じ、そして見せ場でもある、追い詰められて精神が崩壊していく様は狂気に満ち溢れていて、とても恐ろしくニナの心情を見事に表現し素晴らしかった。

見ていると、ついニナに感情移入してしまう。

そして、ナタリー・ポートマンはこの作品で2011年のアカデミー賞で主演女優賞を獲得している。

美しいバレエの世界

この映画を見て、バレエ白鳥の湖を見てみたい!と興味を持った人も多いのでは?

「白鳥の湖」は有名なバレエの演目で「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」と合わせて3大バレエと言われている。

ストーリーを説明すると、オデット姫はある日、花畑で悪魔ロットバルトに白鳥に変えられ、夜の間だけ人間の姿に戻れる呪いを掛けられてしまい、呪いを解くには恋をしたことが無い男性に愛してもらう事。

ジークフリート王子は21歳の誕生日の夜に湖に狩りに出かけ、白鳥に変えられたオデット姫に一目惚れし2人は恋に落ちる…。

しかし、悪魔の娘オディール(黒鳥)が王子を誘惑し、オディールと愛を誓ってしまい、絶望したオデットは崖から身を投げて絶命する…という話で、悲恋で終わる場合とハッピーエンドと二つの結末があるようだ。

劇中と同じように、白鳥と黒鳥は同じダンサーが演じる事になっており、どの様に演じ分けされているのか、特に黒鳥の踊りを実際に観賞してみたい!

映画「ブラック・スワン」の評価とまとめ

ニナをいつまでも子ども扱いし過干渉で過保護な母、その為ニナには友人もおらず精神的に不安定な状態で、母親は自分と娘を同一視してしまう、いわいる毒親だ。

いかに、子供への過干渉や過保護が悪影響を及ぼす場合があるのかが、とても良く分かり、ニナが気の毒になる。

そして、美しく優雅で可憐なバレエ界の厳しさも目の当たりにできる。

皆が主役を狙い、主役になれたとしても常にプレッシャーと戦い、役を極めなければならない。

評価としては、そんな美しい世界の闇の部分を上手く描いている作品で、とても面白く引き込まれる、一味違ったスリルを味わいたい時におススメ。

最後に、ナタリー・ポートマンはこの作品がきっかけで同作の振付師でダンサーとしても共演しているバンジャマン・ミルピエと結婚している。

そういったエピソードがあるのも、この映画のちょっとした魅力の1つなのかなと思います。

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