『レッド・ドラゴン』は、食人殺人鬼ハンニバル・レクター博士シリーズの第3作目である、ミステリーサスペンス映画です。

『羊たちの沈黙』でクラリスに出会う前でのハンニバルレクター、そして自らをレッド・ドラゴンへと昇華させるために猟奇的な殺人鬼を描いた本作品。

ハンニバル・レクターのクレバーっぷりがいかんなく発揮されています。

元FBI捜査官のウィル・グレアムは、FBIを退職していたにもかかわらず、彼にしか解決できないとして、一家殺人事件を追い…

また、事件の捜査協力を獄中のハンニバル・レクターに求め…

スリルのある殺人鬼の思想に迫る『レッド・ドラゴン』のあらすじや感想を、どこよりも詳しく紹介します。

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映画「レッド・ドラゴン」の作品情報

【公開日】
2003年2月8日

【上映時間】
124分

【監督】
ブレット・ラトナー

【脚本】
テッド・タリー

【出演者】
ハンニバル・レクター:アンソニー・ホプキンス
ウィル・グレアム:エドワード・ノートン
フランシス・ダラハイド:レイフ・ファインズ
ジャック・クロフォード:ハーヴェイ・カイテル
リーバ・マクレーン:エミリー・ワトソン
モリー・グレアム:メアリー=ルイーズ・パーカー
フレディ・ラウンズ:フィリップ・シーモア・ホフマン

映画「レッド・ドラゴン」のネタバレとあらすじとラストや結末

精神科医であるハンニバルレクターは、FBI捜査官のグレアムに捜査の協力を求められていました。

グレアムはレクター博士をうならせるほどの推理力、想像力で犯人を推測します。

グレアムの想像では、犯人は解剖学の技術を持ち、背中の一部、食べるときに一番おいしい個所を、食用として切っているというものでした。

そしてグレアムは、頭脳明晰なレクター博士がこの推理に至らなかったことを不審に思います。

レクター博士がウィルを残して部屋を去ると、グレアムはその隙に棚をあさり、食人に関する本を見つけるのでした。

グレアムはレクター博士が犯人だと確信するも、レクター博士に刺されてしまいます。

レクター博士もグレアムに銃で撃たれ二人は重傷を負い、ウィルはFBIを辞め、レクター博士はるのでした。

グレアムは噛みつき殺人鬼の操作を頼まれる

レクター博士を捕まえてから数年後、連続して起こった一家惨殺事件の捜査協力を求められます。

グレアムは妻のモリ―、娘のジョシュと暮らしていたのですが、「噛みつき魔」と称される殺人鬼は、グレアムにしか追えないとFBIのクロフォードに言われます。

殺人現場では鏡は全て割られており、暗闇で夫を殺したのち、妻には夫の死にゆく姿を見せていました。

子ども達は殺されてから、両親のもとに運ばれ、家族全員の目に鏡をはめ込まれるという、異常な殺人でした。

グレアムは被害者の遺体から指紋を検出するようにクロフォードに求めます。

持ち前の想像力で、誰にも気づかれなかった新たな手掛かりを見つけるのでした。

グレアムとレクター博士の再会

レクター博士はグレアムの安物のシェービングローションを指摘します。

レクター博士が獄中で書いた論文を、素人の自分でも楽しめたと、グレアムは褒めます。

自分自身を捕まえることができたグレアムの「素人」という発言に、レクター博士は引っ掛かります。

グレアムはレクター博士を捕まえられたことを偶然だと言います。

そして、グレアムはレクター博士が獄中で欲しているものと引き換えに、二つの連続殺人についての意見を求めるのです。

グレアムは巧みにレクター博士を挑発し、協力の要請に成功するのでした。

犯人が鏡を割ることで自身の醜さを見たくないからで、整形の可能性や、自信を大きく見せるための刺青の可能性を犯人の特徴として示します。

また、満月の夜に殺人を犯すことから、月に照らされて真っ赤な血を見ることができる場所、そしてビデオにヒントがあるとレクターは言うのでした。

犯人からレクター博士へのファンレター

レクター博士の独房に、トイレットペーパーに書かれたファンレターが届いていました。

グレアムたちは、手紙に気付いたことをレクターに悟られないよう、低丼を装います。

犯人は変身という言葉を使い、ヨハネの黙示録を引用していました。

FBIは犯人が怒りに身を任せるような、煽る記事を出し、ウィルを襲わせるところを捕まえようとします。

しかし、犯人に狙われたのは、悪徳な記者でした。

彼は椅子に身体を貼り付けられ、犯人は背中の「レッドドラゴン」の刺青を見せつけます。

グレアムたちは再びビデオに注目し、犯人がビデオから家の内部を知ったことに気付きます

また、美術館でレッドドラゴンの絵を食べるという事件が起きました。

FBIはミスターDという男にたどり着きました。

ミスターDこと、ダラハイドの過去と現在

産まれたときから口が裂けていたダラハイドは、幼少期におねしょをするたびに陰部をちょん切ると脅されていました。

そんなダラハイドは大人になると、盲目の女性、リーバと出会います。

自らの容姿にコンプレックスを抱くダラハイドは、自分の姿が見えない全盲のリーバに惹かれていきます。

ダラハイドはリーバとの将来を考え、殺人を終わらせるため、ブルックリン美術館で絵を食べ妄想の中での変身を果たすことにしたのでした。

ダラハイドはリーバを家へと招き、リーバを殺して自らも死ぬことを決意します。

しかし、ダラハイドにリーバを殺すことは果たせず、彼は自殺してしまうのでした。

事件は解決したかのように思えた

家の中の遺体はダラハイドの物ではありませんでした。

ダラハイドはグレアムの息子を人質に、グレアムの前に現れます。

恐怖のあまり、放尿してしまった息子をグレアムは罵倒します。

ちょん切ってやろうか!その言葉に、ダラハイドは焦りを隠せないでいました。

一周の隙を見つけてダラハイドを襲ったグレアムでしたが、扉越しにけん制し合う二人に、妻モリ―の姿が見えます。

モリ―を襲うダラハイドでしたが、グレアムに撃たれ、弱ったところをモリ―にとどめを刺されるのでした。

事件はダラハイドの死で、幕を閉じるのでした。

独房でグレアムに手紙を書くレクター博士に、新たな面会予約が入ります。

若い女性、その女性の名前を、レクター博士は尋ねるのでした。

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映画「レッド・ドラゴン」の感想と考察

『レッド・ドラゴン』は、サイコな殺人鬼の思想の中に、レクター博士やグレアムと共に潜り込んでいくようなスリリングな映画です。

歪んだ生い立ちやコンプレックスにより、ヨハネの黙示録12章3節の女と竜に登場する悪魔に変身することを望んだ哀れな男が起こす殺人事件を、クレバーな捜査官が紐解いていく様は、名探偵によって謎が解けていくような快感もあります。

レッド・ドラゴンってなに?

端的に言うと、多くの人々を惑わす悪魔だと推測されることが多いです。

ヨハネの黙示録では、女と竜(レッドドラゴン)が対峙していますが、その女というのも、聖母マリアであるといった推測や、イエスキリストを女と表現しているなど、諸説あります。

そんな強大な力を持つレッドドラゴンを、ダラハイドは絶対的なものだと考えていたわけです。

また、ダラハイドが体の中に取り込んだウィリアム・ブレイクの絵画では、レッドドラゴンは聖母を圧倒している瞬間が描かれています。

叔母に恐怖を植え付けられたダラハイドにとっては、神と同等の存在である聖母にすら勝利するレッドドラゴンのようにならなくてはならないと、考えていたのです。

グレアムではなく、ダラハイドが物語の中核

ハンニバル・レクター博士シリーズの映画の魅力の一つに、殺人鬼にとことんスポットライトを当てるという点があります。

それもそのはず、レクター博士やグレアムのような想像力に富んだ人たちが物語を引っ張っているのですから、他のサスペンス映画よりも「犯人像」をイメージする行程が多いのです。

また、レクター博士だけでもどんな事件をも解決してしまいそうな賢さがあるのに、それと同等かそれ以上の想像力を持つグレアムがいたら、事件の解決自体はあっさりとしてしまいますね。

他の映画では犯人を追って追われての展開になりがちですが、本作品では殺人鬼の思想に重点を置くことで、犯人を追う状況を楽しむというよりは、犯人の人間性を楽しむ映画となっています。

映画「レッド・ドラゴン」の評価とまとめ

「羊たちの沈黙」に隠れた名作

レクター博士が与えるヒントや、一つ一つの謎や手掛かりをグレアムは入念に解いてくれます。

それによって、私たちもスッキリと鑑賞することができます。

ハンニバルレクター博士という最恐に魅力的な悪のカリスマと共に、事件を追っていく映画という点では「羊たちの沈黙」と同じですが、レクター博士の説明のようなシーンが無い分、本作品の方が観やすくなっているかと思います。

しかし「羊たちの沈黙」はクラリスの内面にも迫ったり、殺人鬼のショッキングさ、レクター博士のインパクト、何よりも物語の精巧さがあり、超一級映画なわけです。

本作品は「羊たちの沈黙」を超えているとは言えないものの、ダラハイドのような同情してしまうような殺人鬼の描写や、犯人の思想に自分も近づいている感覚は、非常に楽しめます。

まとめ

クラリスと出会う前のレクター博士、そして殺人鬼ダラハイドを優秀なFBI捜査官のグレアムが捕えるまでを描いた『レッド・ドラゴン』

子どもの頃は、恐ろしくも賢いレクター博士の姿になんとなく憧れてしまったりもしました。

「羊たちの沈黙」で、レクター博士の姿をもっと目に焼き付けたいと思った方は、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。

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