「セブン」は、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したブラッド・ピット主演のミステリー映画です。

そのあまりの衝撃的な結末は「ハリウッド史上最もダークな作品の一つ」と称されるほどです。

大量の食事を摂取した肥満男性の遺体の側には、「GLUTTONY」つまり暴食を意味した文字が…

そして刑事は七つの大罪になぞった事件を追うことになり…

日本でも大人気の「ファイト・クラブ」や「ベンジャミン・バトン」を手掛けたデヴィッド・フィンチャー監督の代表作品です。

それでは、映画「セブン」のネタバレあらすじや感想考察と評価など、総合的な情報をお届けします。

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映画「セブン」の作品情報

【公開日】
1996年1月27日(日本)

【上映時間】
127分

【監督】
デヴィッド・フィンチャー

【脚本】
アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー

【出演者】
デビッド・ミルズ:ブラッド・ピット
ウィリアム・サマセット:モーガン・フリーマン
トレイシー・ミルズ:グウィネス・パルトロー
マーティン・タルボット:リチャード・ラウンドトゥリー
マーク・スワー:リチャード・シフ
ジョン・ドゥ:ケヴィン・スペイシー
カリフォルニア:ジョン・C・マッギンリー
テイラー:ダニエル・ザカパ

映画「セブン」のネタバレとあらすじ

刑事引退を目前に控えるベテラン刑事のサマセットと、正義感溢れる新人刑事のミルズはタッグを組み、ある事件の調査をしています。

その事件とは「七つの大罪」になぞられたものでした。

月曜日、暴食の男の遺体を発見する

雨の日、殺害現場にいたのは、スパゲッティに顔を突っ込んだ、異様なまでに太った遺体がいました。

それを、引っ越したばかりのミルズとサマセットが調査しています。

手足を縛られた姿から、殺害であると断定します。

なんとその男は、12時間も食べ続け、膨れ上がった内臓を蹴られて破裂したことによって、死んでいたのでした。

引退を目前に控えたサマセットは、連続殺人である可能性から、担当の交代を望みます。

しかし、この事件はサマセットにしか解決できないとされ、まだ若いミルズに担当は変わりませんでした。

火曜日、強欲な弁護士の悲惨な遺体が見つかる

新たな殺害現場には「GREED」強欲の文字が、被害者の血で書かれていました。

被害者の弁護士は金に目がないことで有名で、そんな彼は自らの肉を切り取ろうとしていた途中で死んだのでした。

そこにいたミルズ刑事は、夫人の絵が目の周りを血で塗られているのに気が付きます。

一方太った男の現場で、サマセットはあるメモを発見します。

そこには、ミルトンの『失楽園』の一節が書かれていました。

更に、「GLUTTONY」暴食の文字も発見したことから、これが七つの大罪になぞられた事件であることに気が付きます。

残すは「怠惰」「憤怒」「高慢」「肉欲」「嫉妬」の5つが残されていました。

サマセットは自らが事件に深く関わるのを避けるためか、『カンタベリー物語』と『神曲』を読むことを、ミルズにアドバイスします。

水曜日、強欲事件の現場へと戻る

ミルズとサマセットは、ミルズの妻であるトレイシーと談笑していました。

しかし、話は自然に事件に関することへと移っていきます。

ミルズが夫人の絵の話をすると、二人はその手掛かりを「何かを見た」という意味で捉えたのでした。

そして戻った弁護士の家で、逆さになった絵を発見します。

その額の裏には、「助けて」という文字が書かれており、しかもその文字からは指紋が検出されたのでした。

木曜日、指紋の主を突き止める

指紋を調べた結果、ある男の存在が浮き彫りになります。

そこへ突入するとそこには、蝋人形のように干からびた男がいました。

指紋は、彼の指を千切って使用されえていたのです。

全ては犯人の思うまま、現場には「SLOTH」怠惰の文字がありました。

金曜日、ジョン・ドゥという男に聞き込みを行う

ミルズの妻、トレイシーはサマセットに相談をしていました。

自らの身体に宿した命を産むか、ミルズに負担を掛けたくないトレイシーは、サマセットを相談相手に選んだのです。

サマセットもまた、かつて恋人の中に命を宿しました。

しかし、数々の恐ろしい事件を目の当たりにしたサマセットは、新たな命を産み落とすことに嫌悪感を抱き、中絶を強要したのでした。

ミルズはその出来事を後悔はせずとも、もし産まれていたならば、と今でも考えてしまうという胸中を話すのでした。

そして、ミルズとサマセットは、FBIから違法で入手した情報を頼りに、ジョン・ドゥという男に聞き込み調査を行います。

違法であるがゆえに、彼が犯人だとしても、すぐさま逮捕はできないのです。

そこに現れた男の影は、いきなり発砲するのでした。

衝動に身を任せて、発砲した男を追うミルズでしたが、待ち伏せされた犯人にけがを負わされてしまいます。

なんとか偽の証人を立てて踏み込んだジョン・ドゥの家には、数々のおぞましいものがありました。

しかし指紋や物的証拠はなく、あったのは2千作以上の日記でした。

そんな中、ジョン・ドゥから電話がかかります。

彼は二人に敬意を表し、プランを変更したことを告げます。

土曜日、なんとも恐ろしい娼婦の殺害現場にて

ミルズとサマセットは、再び行われた殺害現場へと向かいます。

そこでは、男性が腰に狂気を携えたまま性行為をしたことで死んでしまった娼婦がいました。

そしてそこには、「LUST」肉欲の文字がありました。

そして日曜日

新たな殺害現場にはやはり、「PRIDE」高慢の文字が刻まれており、そこで、美人のモデルが顔を引き裂かれて殺されていました。

彼女は片手に受話器、そして片手には睡眠薬を持っており、素早く救急車を呼べば助かったにも関わらず、美しくないまま生きるより、美しいまま死んでいくことを選んだのでした。

残すは二つ、そう考えていたところに、血まみれのジョン・ドゥが現れました。

彼は二人の遺体の居場所を教えること、そして罪を認めることを引き換えに、尊敬するミルズとサマセットに案内させてほしいと申し出ます。

二人は条件を飲み、ジョン・ドゥを車に乗せます。

ミルズは車中、ジョン・ドゥの行った殺人を「ワイドショーのネタ」だとコケにします。

たどり着いた場所で、サマセットが遺体と思わしき箱の中身を確認します。

サマセットは箱の中身をミルズに見せないように、振り払います。

ジョン・ドゥはミルズに、殺したのはお前の女房だと言い放つのです。

彼は「ENVY」妬みの罪を犯し、そしてミルズは「WRATH」怒りの罪に近づきます。

ジョン・ドゥの挑発に乗らないよう、サマセットは訴えます。

そんなミルズにとどめを刺すかのように、トレイシーが妊娠していたことを告げます。

その事実を知らなかったミルズを、ジョン・ドゥはにんまりと笑うのでした。

ミルズはついに我慢ができず、ジョン・ドゥを撃ち殺します。

ミルズの手によって、七つの大罪は完成するのでした。

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映画「セブン」の感想と考察

この映画の結末には、大きく分けて二つの感想があると思っています。

一つは「胸糞悪い!」というもの、そしてもう一つは「まあ世の中ってそんなもんだよね」という、虚無的な感想です。

私は前者をミルズタイプ、そして後者をサマセットタイプだと考えています。

ただの映画ではない!

ミルズは正義感に溢れており、世の中はこうあるべきといった信念に任せて行動をしています。

また、サマセットの主張を聞き入れない様子から、世界は希望で成り立っていると考えていることが分かります。

また、殺人鬼であるジェンドゥのことを「悪魔」であるように考え、犯行を犯す者は異常な人間、つまり、異常を全て取り除くことで綺麗な世の中になると信じ切っています。

そんなミルズに、この世の不条理をジョンドゥは突きつけるのです。

希望ばかりだという先入観で、ミルズは絶望し、映画の幕は閉じました。

殺人こそが異常で、世の中は本来慈悲に溢れていると考えるミルズに対し、サマセットはもう少し達観した、諦めの境地にいます。

サマセットが見る世界

殺人や事件で溢れているのに、それを無視して世の中は進む。

ジョン・ドゥが血まみれになっているにも関わらず、それを無視する大衆から、おそらく世の中はサマセットが思っている通りのものなのでしょう。

そんなことに嫌気が差し、刑事を早く引退したい、子供を中絶したという選択も、後悔はしていない。

しかしミルズの情熱溢れる、抗う姿を見ていると、かつての信念も思い出してしまう、それがサマセットなのです。

二人の存在がいるからこそ「セブン」はただ嫌な終わり方をするだけの映画とは一線を画す結末になっているわけですね。

ヘミングウェイの一節と、映画のメッセージ

作中、最後にサマセットは「この世は素晴らしい。戦う価値がある」というヘミングウェイの一節の後半に賛成だと述べています。

賛成する部分は「戦う価値がある」逆に否定するのは「この世は素晴らしい」という部分だと考えられます。

全てに絶望していたサマセットは当然「世の中はひどい」と考えているのですが、「戦う価値がある」と考えるようになったのは、間違いなくミルズの影響です。

不条理は存在するが、それに抗う力を持つ勇気にこそ、価値があるというのが、この映画の最後の部分のメッセージです。

ついでですが、本作品で不条理を与えるジョン・ドゥという名前は、日本でいうところの名無しの権兵衛です。

女性の場合、ジェーン・ドゥとなります。

映画「セブン」の評価とまとめ

ショッキングでありつつ、精巧な作品

「セブン」の素晴らしい点の一つに、「七つの大罪の被害者の悲惨なビジュアル」があると思います。

暴食から始まり、数々の罪人がジョン・ドゥの手によって裁かれる様は、思わず目を覆いたくなるばかりです。

しかしそんな大味で残酷なビジュアルとは裏腹に、物語の作り方や人物の背景は非常に精巧に作られています。

特にサマセットに関しましては、どのシーンをとっても彼の人物像が思い浮かぶ、素晴らしい作り込みです。

不条理な世の中と、サイコな殺人鬼、そしてそれに立ち向かう刑事二人を描いた本作品。

追っているはずのサマセットが、ジョン・ドゥと似たような思考を持っていたりと、ミルズの希望が絶望になり、サマセットが希望を抱く様の描写、特にラストシーンは見事です。

個人的には、デヴィッド・フィンチャーの最高傑作と呼ぶに値する作品であると考えております。

本格的なサイコ殺人鬼、そしてそれを追うミステリー的側面、ショッキングな殺人方法等、魅力様々なデヴィッド・フィンチャーの世界に誘われてはいかがでしょうか?

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